2009/01/16

M&Aストラクチャ論 week12

服部先生の第12回目講義です。

今回は日本のM&Aの7不思議というテーマになります。ここが変だよ、日本人!のM&A版ですね。(笑
(実践M&Aマネジメントの第12章とほぼ同じ内容です。でも,聞くとよくわかるので不思議)

1)合併・統合比率発表から合併・統合完了までの期間
2)M&A発表から終了までの期間

欧米はトップ含む数名だけですべてを決定するので,合併実施の直前に発表で済む。
ところが,日本の企業はM&Aの詳細を決めるのに数十名規模のプロジェクトの発足など仰々しい。そうなると情報漏洩もしちゃうので,プロジェクト開始前にプレスリリースするんだと。

「2年後に統合比率を発表します」と記者会見でいった経営者もいるとか…(苦笑
それまで株主は,その合併についてどう反応すればいいのやら…


3)連結決算と連結経営
財務会計上は連結決算になっているものの経営の意思決定などは,全然連結単位じゃなくておそまつなものです。それは事業会社にいる俺としてもすごい実感。所詮,積み上げで経営してるよね。連結単位で全社戦略とかなかなか難しいです。
さらに事業本部単位で国際事業など含めて事業連結決算諸表を作れとか,M&Aアドバイザーに言われても出せる企業はほとんどないそうです。これでは事業単位のM&Aなどもなかなかできないですなー
4)主な合併事例における持分比率と役員比率
日本らしい部分の最たるものですね。どんだけ持分比率が違って,どっちが買い手かはっきりしている合併であっても,「存続会社」「社長」「本社所在地」「新会社名」は半々で分け合うんだとか。
さらにコントロールプレミアムと役員比率を日米で分析して比較すると,かなり強烈な事実がわかります。
アメリカでは,被合併会社(売り手)の役員が少ないほどプレミアムが大きくなります。つまり,支配権を完全に売り払って既存株主の利益を増やす最後の仕事をして役員は引退してることになります。
日本では,まったく逆。役員が残留するほど,プレミアムは下がります。これはどういうことかというと,役員として残してくれるなら株主利益であるプレミアムは払わなくてもいいですよ,という取引を日本企業の役員が結果的にしてることになります。
強烈ですねー
(ここでは簡単に説明してますが,実際はもっと明確にその傾向が出ています)
5)債権放棄とデット・エクイティ・スワップ(DES)
日本の金融機関がなぜ株主責任を問う前に債権放棄するのか?
また,DESについても時価相当での実施でなく,額面相当で実施されるのか?
という疑問について,詳細な説明がされました。ちょっとここはよく理解できなかった,というより「M&A 最強の選択」に詳しく書いてあったのを覚えてたので,ほかのこと考えてました。(笑
皆さんもそちらをご覧ください。
6)コーポレート・タックス・インヴァージョン(CIT)
これは,手続きとしては理解できましたが,ほかのに比べて不思議さは感じませんでした。なので省略。
無理矢理7不思議にするために,追加したっぽい。実践M&Aハンドブックの三角合併のところに詳しい記述があります。
7)法令提要事前確認手続き
これは春学期の授業でもいってましたね。
欧米では,これこれこういう案件をすると税金はどうなりますか?のようなことを行政に質問する制度があります。それの日本版なのですが,国税庁がこれを骨抜きにしてるということを主張しています。
どうやら,個別具体の納税者の質問には答えないとか,やるかどうか未定の案件については答えないとか,いろいろな言い訳をして,結局課税されるかどうかすら答えてもらえないようです…(苦笑
講義としては最終回で、あとは期末課題の発表と期末試験のみとなります。
1年間通して、服部先生の授業や参考書は、かなり充実してましたね。M&Aに実務で関わってから復習すると、もっともっと価値がわかるんでしょう。この1年間の大事な成果の一つであるのは間違いないですね!

0 件のコメント:

コメントを投稿