2009/01/09

M&Aの法務(国際事業再編) week10

今回と次回のトピックは,ジョイントベンチャーになります。
ちなみにジョイントベンチャーというのは,法的な定義はなく,当事者がジョイントベンチャーと思えば,なんでも該当するんだとか。(苦笑

そのため,事業体としても株式会社,組合,LLPやLLCなどの組織を用いるだけでなく,複数企業間の契約のみの関係をさしてジョイントベンチャーと読んだりもするんだとか。どの事業体を使うかでメリット・デメリットも異なります。
買収のように企業間で支配権がはっきり出る場合もあれば,完全に対等なジョイントベンチャーもありうるわけですね。

そのストラクチャも様々なようです。
既存の子会社株式を他社に売却することで作ることもあれば,既存子会社が第3者割当増資をすることもあり,いずれかの既存事業をベースに会社分割を使って作ったり。この辺は,もう服部先生の授業の領域ですね。(笑
事業体も株式会社なら有限責任はうれしいが法規制が強い,組合は自由に設計できるが無限責任になったりするので,それこそどのような事業をどのような利益配分で行うかなど,バリエーションはいくらでもあるわけです。
春学期のバイアウトの授業でも,弁護士の先生が事業体で大事なポイントとして税制,有限責任or無限責任,情報開示義務,設計の柔軟性をあげていたのと基本的には同じように理解しました。
次にジョイントベンチャーの経営機構をどのように設計するかは,事業体とは別にまたいろいろ考える必要があります。
例としては議決権が60:40の場合は,本当に60%の方が常に勝ってよいのか?事項については両者の賛成が必ず必要とか,特定事項だけ1株あたりの議決権に差をつけるとか,なにを重要事項にするのかなどはあらかじめ契約で決めておかないといけません。
また代表取締役を選出した企業だけ有利になるのも問題があるため,なにを代表取締役に委譲してなにを取締役会に留保するか。取締役を出せない少数株主は,どのように権利を保護するか。(保護されなきゃ,ジョイントベンチャーには参加しないでしょう)
取締役会の最低出席人数はどうするか?仮に取締役会が6名で,3名が定足数の場合で,1社3名ずつ取締役会を出しているときなどは,必ず両者から1名ずつは必ず出席とか。これは厳しくしすぎると取締役会を開こうにもスケジュール調整が難航して,スピード感がなくなります。
最後にジョイントベンチャーの終わり方(Exit)の注意点が説明されました。乗越さんいわく,この Exit が一番大事だそうです。
10年も15年もすれば経営環境は変わりジョイントベンチャーは終わりになることが多く,終るときは必ず意見の不一致が発生します。
不一致が発生してから調整方法なんて決まるわけもないので,開始時点でやめるときの取り決めをしておく必要があります。
どういうときにやめにするのか,1社だけ辞める場合の条件は,などなど。
いろいろ聞いてて思ったのは,通常のM&Aのように単純な支配権の移動じゃない分だけ,契約書の重要性は大きいように感じました。
会社で,他者との共同事業を撤退するときにすごいもめたこともあるので,やはりやめ方がすごい大事だと実感してしまいましたよ…(苦笑

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