ラベル 企業買収 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 企業買収 の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2011/02/23

初案件が最終合意!

初めてかかわったM&A案件が最終合意締結までこぎつけましたよ。

職場の先輩と合わせて3名で実質やった案件で、小さかったおかげで、一通りのプロセスを把握することができました。いやぁ、よかった。面白かった。全然思うように成果を出すことはできなかったが、なんにせよ社内転職後の初案件ですからね。

早くも次の案件へ参加してるので、次ではもっと貢献できるように頑張ろう!

2011/02/05

科目履修申請

ICSの科目履修を二科目ほど申請しました。

実務で少しM&Aを経験したので、卒業後1年たった今、もう一度大学で少し基礎を学んでみようかと。

KPMG FASという実務家によるM&Aの講義と、企業税務の理論と実務という講義を取得してみようかと。前者は実務を経験した上でM&Aを勉強してみたかったのと、後者は純粋に税務がわからなくて困っているので少し底上げしようかなと。

提出したら、電話がかかってきて、書類不備がありますよ!といわれて昨日あわてて事務室までいきました。卒業生だからだけど、わざわざ連絡くれて助かりました… 苦笑

2010/12/31

M&Aに対する国民感情

高校の同窓会で、海外企業の買収をやっていると話すと、一般人にはやはりあまりイメージがないっぽくあまり話ははずまない… 笑

それどころか、やはりドラマのはげたかとか、ライブドア事件、村上ファンドみたいなイメージが強く、性格の悪い人たちが、会社を買い叩くというイメージが強いっぽい。

フィナンシャルバイヤーばかりじゃなくて、ストラテジックバイヤーは必ずしもそうとは思わないけどなぁ…

でも、ニュースになるM&Aは大型企業買収とか敵対的買収ばかりだし、一般人が正しいM&Aのイメージを理解するのは厳しいのかも。ただでさえ、わかりづらいのに、イメージが悪いのばかりニュースになるからね。

そもそも日本の風土は買収≒のっとりというイメージがある。敵対的買収も、ただ取締役会に敵対的というだけで、絶対に成功しないのが日本の文化。

うーむ、すごい日常レベルで、それを実感してしまったよ 泣

2010/03/01

M&Aの法務(取引契約) week1-week13

この学期の頃は全然ブログを更新していなかったので、2010年末に思い出しながら書いています。

春学期に引き続き、岩倉弁護士のM&Aの法務の講義。春学期が比較的M&A全般に関する法務的トピックだったのに対し、こちらは契約書に特化したより実務的な講義。

株式譲渡契約、株式引受契約、株主間契約・合弁事業契約、合併契約、事業譲渡契約、会社分割契約、株式交換契約、株式移転契約と、ほぼすべてのストラクチャについて全13回で講義を実施。

それぞれの契約の法的位置付け、各契約に重要な条項を講義したあとに、岩倉さんが過去に取り扱った本当の実務契約書(黒入りまくりだけど)を見ながら、実際の条文を確認するというスタイルですね。

現時点で引越し後の未整理の荷物に講義資料がまざっているため、ちゃんと振り返れずに非常に残念です。実務にすごい役立つのになぁ。とはいえ、自分の中でM&A契約に関する勘所をしっかりと植えつけてくれた非常に素晴らしい講義だった。

覚えている範囲で書くと…

まずM&A契約はPricing と Allotment of Risks というのが岩倉さんの口癖。特に後者は契約書での表明保証・補償条項になり、ほぼすべての契約書でこの表明保証・補償条項は繰り返し出てきましたね。補償条項でのいろいろな契約技術、エスクローとかキャップとかも詳細に講義されました。

株式譲渡契約は、突き詰めれば相対の商取引に過ぎず、究極的には売買対象の定義と対価があれば十分な取引。だからこそ、交渉によってかなり盛り上がるわけですけどね。株主引受契約も大体一緒。

一方で株主間契約や合弁事業契約は、当事者が協力して事業を行うので、お互いの提供する事業の定義や、共同経営のやり方(意思決定ルールやデッドロックの回避など)が非常に重要。

合併、事業譲渡、会社分割、株式交換、株式移転は会社法上に定義がる法定取引なので、契約書にも一定の必須事項があるものの、結局はM&Aなので表明保証・補償条項やクロージング条項が従になります。これらの取引は法的にはなかなか面白いですね。たとえば、合併ならなぜ法人格がなくなるのかとを講義では説明されましたが、かなり面白かった。法律解釈というのは思ったよりも楽しいっすな。


岩倉先生が教科書を書いているといってましたが、春学期分のは出版されましたが、秋学期分は書かないのかなぁ…是非とも書いてほしい。

同期の実務家たちも、実際の契約書を使っての講義にかなり満足していたので、俺も数年後に受けてれば、また全然違った感想を持つことができたんでしょう。とはいえ、この講義のおかげでかなりのノウハウは身につけられたのではと思っています。

是非とも教科書を出してほしいもんです。必ず買うかと。

2010/02/28

国際法務戦略 week11-week13

この三回ではシンジケートローン、メザニンファイナンス、企業買収ファイナンスを契約技術(応用編)といいうことで講義がありました。

この3つについては、過去にバイアウトや金融実務取引法などでざっくりと理解していたので、大学院最後の学期で復習という感じで理解できて非常によかった。実はどれもM&Aファイナンスを一年目の夏休みに読んだときに初めて知った概念だったのですが、当時はまったく何がなにやらわからず。二年間でなんとかこういう概念に抵抗がなくなったなぁと実感できました。

どれも定義、組成の仕方、ローン契約の各条項、担保などについて詳細に解説していました。結構具体的なのが多く、全部は消化しきれなかったですけどね…

改めてこれらの講義で学んだ内容をふまえて、M&Aファイナンスを読み返すとすごい復習になりそうですね。

2009/11/28

国際法務戦略 week6-week8

3回の講義でM&A契約技術を取り扱います。

M&A取引契約ということでは岩倉先生の講義とかぶりますが、この講義では具体的な事例や判例を見ながらやるので、かなり具体的に理解が深まる感じです。また配布される資料に参考書的なのも多く、すごい役立つ感じ。

特に着目されたのが表明保証条項。米国の契約実務からの輸入品である表明保証条項は必ずしも日本法上で欧米の契約実務と同じように判断されるわけではないとのこと。
訴訟になり裁判所の判例が出ると本来の趣旨どおりにワークしなかったりするわけです。

いろいろな事例や曖昧さを回避する方法など、結構テクニカルに役立ちそうなTipsが多かったですね。

なお講師の方に、この講義のカバー範囲で、かつクロスボーダー取引で参考になりそうなのがあると聞いたところ、いくつは英語でしたが、さすがに法律の専門書を英語で読むのはしんどいので日本語のを購入。かなりわかりやすいのと、契約技術のところはかなりわかりやすいかと。


アメリカのM&A取引の実務
伊藤 廸子
有斐閣
売り上げランキング: 12275

2009/11/01

国際法務戦略 week3-5

ロースクールなどには交渉術のクラスがあるんだそうです。国際法務戦略の第3回-第5回では交渉のケーススタディをしました。

ハーバード交渉術の基本的な枠組みを講義したあと、2人組になり双方違う資料を配布され、準備をして交渉開始になります。双方の資料には、双方の事情や背景、そして実現したい事項やその理由が書かれています。

お互い相手がどのような理由で、何を要求しているのかわからないので、それを探りあいながら合意しようと頑張るのですが、これがまた上手くいかない… 苦笑
毎回、最後には交渉術の枠組みを使っておさらいをするので、非常に枠組みの理解も深まりますな。

中国企業への日本製造技術のライセンス契約における保証範囲、秘密保持の内容、改良技術の取り扱いの交渉は結構おもろかった。まったく中国と日本で考え方が違うことがよくわかった。
更にM&A交渉におけ表明保証と保障の交渉はかなり面白かった。あれは難しい。実務的にも役立ちそう。

合意に至ることが出来ない交渉を解きほぐしていくという演習は非常に役立つように思います。現実の交渉の模擬練習として。

講義とはまったく関係ありませんが、下記の本はオーソドックスでおもろいです。講師の書いている「<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4788708752/systemengine-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">そこが知りたい中国法務</a>」にも交渉術の枠組みと、中国人と交渉するときの注意点が書いてあり役立ちそうです。


ハーバード流交渉術 (知的生きかた文庫)
ロジャー フィッシャー 浅井 和子
三笠書房
売り上げランキング: 318

2009/10/27

企業戦略論 (下) 全社戦略編

企業戦略論【下】全社戦略編 競争優位の構築と持続
ジェイ・B・バーニー
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 61355


下巻は全社戦略に特化した内容になっています。

戦略的提携、多角化戦略、多角化戦略の組織体制、合併買収、国際戦略という目次構成となっています。

事業戦略と異なり、全社でどのように事業ポートフォリオを構築するか。多角化はどのようなものが会社にメリットをもたらし、どのようなデメリットがありえるか。提携やM&Aによる事業拡大はどのようにすべきか。グローバル展開する場合の統治体制にはどのような類型があるのか、などなどまさに全社戦略に関する記述ばかりです。

多角化やその組織の部分は修士論文に役立つし、M&Aや国際戦略は実際に仕事で役立ちそう。

どのような戦略が持続的競争優位があるのか。実務では往々にして、やることにフォーカスされてしまい、その戦略が本当に持続的に競争力の源泉になるかを十分に議論しないことが多い…

2009/07/14

M&Aの法務(国内法務)week13

M&Aをめぐる裁判例(2)ということおで、株式買取請求権に関わる裁判例を3件ほど取り扱いました。

この株式買取請求権というのは旧商法時代もあったそうですが、新会社法での改正により注目されはじめました。
ポイントは商法における「決議なかりせば有すべかりし公正なる価格」の「決議なかりせば有すべかりし」が削除されて単なる「公正な価格」へと変更されたことになります。

これは、決議(合併、営業譲渡、全部取得条項付種類株式の取得など)後のシナジー効果も含めて、公正な価格という解釈になります。さぁ、大変です。公正な価格ってなに?裁判になったら裁判所がどう判断するの?というのが論点です。

この「公正な価格」という表現をどう解釈するのか?というのが結構識者間では議論になってるんだそうです。
同志社の松尾先生や、筑波の弥永先生のジュリストの記事がお勧めということなので、夏休み中にしっかり読み込んでおきましょう。(7月は忙しくて手がつけられず…)
講義では具体例として、レックス事件(全部取得条項付き種類株式)、カネボウ(営業譲渡)という第4回目の講義で扱った内容に加えて、日興コーディアルグループ(三角株式交換)が取上げられました。
個人的には、以前しっかりと読み込んだレックス事件の最高裁判決が出たので、そっちが気になってネットで調べてみました。
RSSリーダでいつも読んでいるビジネス法務の部屋が、やはりわかりやすいですね。あと、これまたいつも読んでいる丸の内ビジネスマンの独り言もよいです。
話はずれますが、いつもRSSリーダで読んでいるサイトと同じトピックでブログを書いているのは嬉しいものの、これらのブログの記事の品質の高さにはいつも感服しきりですよ。皆様、この記事に少しでも興味を持つような方は、上記2つのブログを読むのがお勧めです。(苦笑
しかし、両方のブログでも言及してますが企業価値研究会のMBO指針というソフトローが裁判所の判断の根拠になるというのはなんとなく意外な気がします。だって、法律じゃないんですよ?ていうか、M&A国富論でもあったけど、しっかり法律にしちゃえばいいのねぇ…
あと、どうでもいいですが、「今後の株価上昇に対する期待権」なるものが公正価格評価に盛り込まれたがすごい不満ですね。個人的には。そんな期待とかを織り込んで株価って決まるんだろうが…!

さて、岩倉先生の春学期の講義は今回で最終回です。
いままで服部さんや乗越さんから学んだ内容と重複しているとはいえ、第一線かつ大物弁護士による授業という点と、法律専門家からの講義ということでかなり勉強になる講義でした。
法律の考え方や、裁判での法解釈の方法など経営法務を学ぶ上での基礎的な部分を習得することができたと思います。
是非とも秋学期の講義も取りたいと思います!

2009/07/03

M&Aの法務(国内法務)week12

今回と次回はM&Aをめぐる裁判例を取り扱うのですが、今回のテーマはずばりブルドックソース事件です。wikipediaによれば

『ブルドックソース事件(ぶるどっくそーすじけん、最決2007年(平成19年)8月7日)とは、いわゆる買収防衛策のうちポイズン・ピルが有効と認めた最高裁判所の判例がなされた訴訟(仮処分命令申立て事件)。』

ということで、ポイズンピルの法的有効性が初めて認められた事件なんですね。更に岩倉先生が実際にブルドック側の弁護士として対応した案件なので、「さすがにボクの講義で扱わないわけにもいかない」とのこと。(笑
海外で言うところのユノカル判決に相当する大事な案件なわけですね。

さて講義では、本件の重要ポイントである「新株予約権における株主平等原則」と「著しく不公正な発行にあたるか否か」の2点について、東京地裁、東京高裁、最高裁がどのように判断したかを比較して説明がなされました。
各判例の詳細は書きません。難しいし退屈なので、詳細は商事法務とか詳細は後述の会社法であそぼ。のページを読んでもらうとして…(苦笑
講義で配布された西村あさひが各判決をまとめた資料はわかりやすくていいのですが、ネット上では入手できないようです。
このようなM&A実務における判例というのがどのように作られていくのかをよく理解することができましたね。岩倉先生の、本件の判例がどこまで汎用性があるかは議論の余地があるが、大枠については今後も継承されていくだろうとのこと。まさにユノカル判決に相当するわけですね。
ちなみにこのブルドックソース事件での買収防衛策については、M&A国富論などでは「照っていて金い裁判で負けないことを追求した設計」、最高裁の判例は「結果として日本の買収防衛の実務に関して大きな混乱とマイナスの影響をもたらしました」とネガティブに書かれています。確か企業価値研究会の報告でも、買収者に金銭供与するのはよくないと言ってた気がします。
というように、最高裁の判例が出たためいまさらな部分もありますが、岩倉さんの設計したポイズン・ピルはビジネスマンとしては最高傑作ですが、最終的な評価については歴史の判定を待つ必要がありそうですね。とはいえ、現行法上では立派な防衛策であることは間違いなく、岩倉先生が同義的に悪いわけでもなんでもないので、そこは勘違いなきように。
前述のM&A国富論を是非とも読んでくださいな。
また、ブルドックソース事件については、ブログ等でも沢山書かれてます。
ブルドックソース事件最高裁判決:Jemのセキュリティ追っかけ日記+α
会社法であそぼ。: ブルドック最高裁
前者は最高裁の株主平等原則の解釈が簡単にまとめられています。後者は有名な会社法であそぼの記事ですね。長くてしんどいですが、しっかりと読み込むと勉強になりますので是非どうぞ。最高裁だけ読みましたが、地裁や高裁の判決についても詳しく書いてますね。

2009/06/22

M&Aの法務(国内法務)week11

岩倉先生の第11回講義です。

今回はゴールドマンサックスの矢野MDがゲストスピーカーとしていらっしゃいました。
どうしても出たかったのですが、この日に限ってどうしても出れず涙を飲んで欠席…

…と思っていたら、同期から講演メモをもらってしまいました♪
ラッキー。

中身は結構オフレコのものが多いので、ここでは書きませんが、実務家の生の声を聞くことができて、かなりよい講演だったようです。メモだけでも、かなりよい♪

2009/06/16

M&Aの法務(国内法務)week10

単独したトピックとして「金融機関のM&A」というテーマでの講義です。
ご本人曰く「僕は日本のM&Aの第一人者ということになっている」とのこと。メガバンク合併などの金融再編案件を結構取り扱っているようです。

講義の内容は『M&A法大全にご本人が書いている内容とほぼ一緒。自分でもそーいってて「講義しなくてもいいよなー」とぼやいてました。ちゃんとコピーを配布してたし。(笑

詳細は本を買ってもらうとして,概要だけまとめておきます。(笑
近年の金融機関のM&Aの大きな特徴は,大規模であることと,破綻企業が多かったこと。
大規模な金融機関は経済的にも大きな影響があります。また,破綻しそうな金融機関の場合はその資産の特殊性(金融資産が多い,破綻寸前であるの両方の意味での特殊性)から,その評価方法がかなり問題になります。
清算価値と事業継続価値がまったく異なるわけですな。そして事業継続価値というのは,大体当事者間で一致しないわけで,かなり交渉は難航するわけ。また,破綻企業の場合は清算価値というのも強く意識されちゃうし。
また,ポートフォリオ選好というのも,交渉上のポイントなんだとか。
ポートフォリオ選好とは,金融機関の中でも特定の資産の保有はしないポリシーだったり,保有できても保有割合などに制限がある場合のこと。
この場合買い手は売り手の資産を買うことはできないので,売り手はマーケットで売却することになったり,買い手が買った直後に転売とかするわけですが,当然ながら破綻寸前(もしくは破綻後)の売り手企業の資産がまともな価格で売れるわけもなく,ここでも価格交渉が大変になるわけ。
上記のような大前提をざっくりと説明した後は,銀行・証券会社・保険会社の各論に入りました。これらの会社は貸借対照表がぜんぜん違うわけですよ。そもそも業務もまったく異なるし,なのでそれぞれの特徴を抑えることが必要になってくるわけ。
M&A法大全のほうは各論ごとに事例説明などありますが,講義では特徴とポイントだけでしたね。興味があれば,本を読めばよいということでしょうか。
ちなみに次回の講義は…
『6/22(月)1時限『M&Aの法務(国内法務)』は、ゴールドマン・サックス証券株式会社 投資銀行部門 M&A統括責任者 マネージング・ディレクター 矢野 佳彦 様をお招きしての講義となります。』
だそうです。すっごい,出席したいのですが,どうしても外せない会社の用事があるので,欠席になります…
なかなかない機会なのに,すごい残念です。

2009/06/09

M&Aの法務(国内法務)week9

「M&A取引契約の成立と内容」の3回目で、今回は株式譲渡契約についての講義です。岩倉さん曰く「たった一回で株式譲渡契約を説明するなんて、不可能だけど、全部説明したことにするからね!」だそうです。(笑

乗越先生のM&Aの法務(国際事業再編)でも、株式譲渡契約を学んだため、結構怒涛のスピードでもついていけましたね♪

当事者、前文、定義、譲渡対象の特定と売買の合意、表明・保証、補償約束、誓約、クロージング停止条件、クロージング、解除・終了、雑則と、契約書に通常書かれる項目について個別で説明されました。

岩倉先生の授業では秋学期に実際の契約書を詳細に講義するそうなので、まぁ結構教科書的にざっくりと説明された感じでしょうか。個別で書いてもいいですが、文章で書けることは、結構教科書に書いてあることと変わらんだろうから、今回は思い切って割愛。(笑

講義を聞いていると、結構有意義なことや、面白い雑談が聞けるんですけどねー

2009/06/06

M&Aの法務(国内法務)week8

「M&A取引契約の成立と内容」というテーマの2回目で今回は予備的契約段階(LOI・MOU)に関する法的事項が講義なされました。

今回は特に民法やら民事訴訟法の概念が出てきたので、非常に難しかったですね。
ただ、ビジネスにおける法律解釈の感覚をわずかながら理解できることができたと思います。よい授業でした。

さて、具体的なトピックとしては基本合意書における契約条項の法的拘束力に関する内容になります。佐山・服部などの講義では、基本合意書はまったく法的拘束力を持たないと言ってますが、これは当然ディールの中身の部分に限定された主張になります。

通常は、いくつかの契約条項に限定して法的拘束力を持たせます。秘密保持契約・相互の許可なしには公表しない・独占交渉権などが該当します。

今回の授業で重点的に取り扱った UFJ・住友信託銀行事件では、最後の独占交渉権違反を法的にどう取り扱うのか?ということが裁判で争われました。
事件自体は新聞でも取り上げられたし、ネットでも沢山記事があるので見てもらうことにして、ここでは概要だけ説明します。
UFJが信託営業事業を住友信託銀行へ売却交渉をしていたところ、信託営業を売却したところで企業として存続できる見込みがなくなったので、住友信託銀行との独占交渉権を破棄して企業自体を東京三菱と統合した、というのがあらすじになります。
この事例に関しては、まず住友信託銀行は統合差止めの仮処分を裁判で争い、その裁判で負けたあとは損害賠償請求の裁判をしています。(こちらは和解)
授業での焦点は前者の差止め請求に関する解釈です。そもそもM&Aの基本合意における独占交渉権はどこまで法的拘束力を持つのか?違反した場合に、違反した交渉を差止めることは認められるのか?
法律オンチの俺にとっては、そもそも法的拘束力がある契約条項があっても、違反した場合にどこまで相手方に請求可能かなどとは考えたことがなかったですね。
賠償請求ができるのか?そもそも違反した行為自体を差止められるのか?などの段階の違いというのは考えたこともなかったです。
さて、東京地裁から最高裁まで一貫してこの契約条項自体に法的拘束力があることを認めたものの、最終的な最高裁判決では差止めは認めませんでした。
その理由としては、UFJの経営状況を考えると、仮処分が妥当とは考えられない(若干法律的には間違ってるかも…)ということをあげています。
ポイントは最高裁はM&Aにおける独占交渉権をどう取り扱うべきかという問題には立ち入らず、「今回の件は差止め請求が認められるべき状況ではない」という判決で逃げてしまったところです。
岩倉さんの主張は、「そもそも本契約条項には差止め請求権を認めるべきでない」とのこと。
ちょっと民法やら民訴法の概念が出てきたので、文章にはできないのですが、実務的にも本契約条項に差止めを認めることはできずに、請求権自体を棄却するのが合理的とのこと。今回裁判所がそこに踏み込まなかったところは、日本の裁判官がビジネスを分かってないので、難しい問題を逃げたのでは?とまで言ってました。(笑
しかし、実際には今回の訴訟を受け実務上は、独占交渉権などに違反した場合は違約金いくらを支払うべしと明記することで、訴訟を回避するようになったようですね。
いやぁ、久々にハードな授業でしたよ。でも、おもろかった。最後に参考文献で配られた書籍を備忘録としてのせておきます。立ち読みしてみようっと。


企業法務判例ケーススタディ300 企業組織編
岩倉 正和 佐藤 丈文
金融財政事情研究会
売り上げランキング: 423481

2009/05/28

M&Aの法務(国内法務)week7

「M&A取引の方法と適用規制法」について前回・前々回と株式譲渡・新株発行・合併・事業譲渡と説明してきたのですが、今回の株式交換・株式移転・会社分割でようやく説明終了になります。結構、横道にそれがちで、またその横道が非常に面白くためになるのですが、おかげでなかなか進まないという感じでしょうか。(笑

株式交換・株主移転では基本的なスキームの説明がありました。われわれ金融コースにとっては服部さんの授業で基本スキームは理解しているので、この辺はばっちりですな。
日本では買収と見られることを防ぐために株式移転を使った持株会社制度が多いというのも既知です。面白かったのは統合比率が1:1なんてのはありえないよねーという岩倉さんのコメント。

そりゃそうですよ。歴史もビジネスも違う会社どおしの企業価値がまったく一緒というのはありえないっすよね。いい時代だったなぁと昔を回顧してらっしゃいました。
んで、次に会社分割。
これも岩倉先生曰くはなし始めると、一生終わらないということで、基本スキームと会社法での改正ポイントのみ説明されました。「後は教科書読んどいて」だそうです。(苦笑
会社法の改正ポイントで一番大きいのは「事業に関して有する権利義務の全部または一部」ということで分割単位を任意に決められるようになったということですね。理論上はペン一つでも分割できると。
会社分割は偶発債務の切り離しや、債権債務の個別同意が不要な(合併と違って対抗要件はいります)ことから、合併と事業譲渡のいいとこ取りとして設計されていることから、実務上は可能なら会社分割が使われるそうです。
また若干法律解釈問題っぽかったですが、「履行の見込み」要件の緩和というのもおもろかったですね。
合併でも同じなのですが、債務超過会社を合併できるか?吸収分割できるか?という議論になります。旧商法ではできなかったとのこと。
そもそも合併や吸収分割という法律行為が何なのか?と考えたときに、もしそれが現物出資と同等に「何かを対価に事業や会社を得る」のように法解釈した場合は、債務超過会社を合併することは不可能になります。なぜって?既存株主にとっては必ず金銭的損害になるわけで、損害に対して出資するこは不可能だからです。
とはいいながら、ノウハウや特許、人的資源、既存顧客などを得るために、債務超過会社を合併するようなニーズは実務において間違いなく存在するわけです。特殊な場合かもしれませんが。
なので、株主総会決議さえあれば債務超過会社でも合併・吸収はいいだろう!という解釈に変わったそうです。実務的な事象に法解釈を合わせたという感じですね。ただし、岩倉先生曰く株主総会決議があればよい、という主張には必ず株主は合併等のメリットデメリットを理解できるという前提があるため、ディスクロージャがしっかりしてないと問題が発生するとのこと。
確かに、取締役が株主をごまかしてしまえば、なんでも通るというのは若干危険ですね。
というように、基本的な枠組みを理解していると、岩倉さんの横道の説明の部分がいろいろ理解を深めてくれていいんですよね。初学者には混乱を招くかもしれませんが。(苦笑
何度も繰り返しになりますが、服部先生の講義なら書籍なりを読んで基本を押さえた上で受講するのがいいかもしれませんね。特に秋学期のM&Aストラクチャ論の最終課題は非常に勉強になるので、是非。
さて、駆け込みで「M&A取引の方法と適用規制法」が終わりましたがので、最後に「M&A取引契約の成立と内容」ということで、案件のフローの法的観点による説明というトピックにうつりました。
秘密保持契約、デューデリ、基本合意、株式譲渡契約、クロージング、PMIなどの一連のフローの概要説明のみ今回行われました。次回は基本合意時の独占交渉権にどこまで法的拘束力があるのかということを、例のUFJと三井住友案件などを例にして説明されるそうです。
ここからは服部先生の授業から、昨年の乗越先生のM&Aの法務(国際事業再編)の知識が活かせそうですね♪

2009/05/20

M&Aの法務(国内法務)week6

前回に続いて「M&A取引の方法と適用規制法」の続きです。前回が株式譲渡だったので,今回は新株発行・合併・事業譲渡について概要説明となりました。

今回は,ちょっと疲れが溜まってた関係で,若干居眠りしてしまったぃ…(苦笑
まぁ,服部先生の授業と重複しているところ多いからね。ただ,初めて聞くとしたら服部先生の授業よりわかりやすいかもしれませんね。

株式譲渡における法務的なポイントは有利発行と、議決権行使基準日の2つでした。
有利発行については株主総会特別決議が必要なのですが、そもそもなぜ有利発行などという行為が正当化される場合があるのかというと、経営破綻寸前の企業などが支援を受ける目的で資金調達などをする場合には、その資金調達がなければ会社がつぶれてしまうので有利な価格でも助けてもらうことに経済合理性があるわけですね。
また、同様に経営破綻寸前な会社が5月に支援のための資金調達(新株発行)をするとしましょう。その新株発行により株式を得た株主は、6月の株主総会で議決権を持つのでしょうか?(3月決算企業とします)
3月末までの決算期に関する株主総会なので議決権行使はおかしいという解釈が成り立ちます。実際に商法まではそうだったそうです。
でも、そうだとすると誰が5月に支援のための株式調達に応じるでしょうか?
というわけで、会社法では基準日を事前に定めて、その基準日までの株主に議決権を与えるということができるようになったそうです。
次に合併と事業譲渡についてです。
合併とは清算・解散以外で法人格がなくなる唯一の処理であり、消滅会社のすべての権利義務は存続会社に包括承継されます。これが合併の最大の特徴になります。
これに対して事業譲渡では、承継範囲は契約で定め、契約で定め権利義務だけが買収側に承継されます。被買収側は法人格もなくならない。合併と違い Contingent Liability(偶発債務)が排除できるというのが最大のポイントになります。
ここまでは服部先生の授業と同じ。ただ、岩倉先生は実務家らしいコメントを付け加えています。
合併だからといって、取引先になにも言わないことはありえず、実際は挨拶や事務手続きはやらないはずがない。
逆に事業譲渡だからって、引き継いだ契約先に対して偶発債務のすべてはわれわれは関係ない!と円滑な取引継続を前提した場合に言えるのか?というとなかなか微妙。
実際の実務ではどっちの方がよいかなどはケースバイケースで決めるしかなく、こういうことがしたいならこっち!みたいな教科書どおりのやりかたではない。
この辺は実務家ならではのコメントですよね。確かにそりゃそうだ。(笑

2009/05/14

現代会社法 week6

最初の方でざっくりと会社法に関連する敵対的買収防衛策について説明がありました。ポイズンピルや種類株に関連するところを中心にオーバービューした感じでしょうか。M&Aの法務の所掌なので、まぁざっくりと復習という感じでした。

んで、すぐに今回のメイントピックである「株式と株主権」に移りました。

株主権というのは自益権と共益権の2つが存在します。

自益権とは剰余金配当請求権や残余財産分配請求権などの、株主が会社から直接に経済的利益を受ける権利と定義されます。
会社法でのトピックとしては剰余金が金銭以外での交付が可能になったことからスピンオフが可能になりました。剰余金として子会社の株式を株主に完全交付することで、子会社株式が完全に親会社株主へと譲渡されることで資本関係が完全になくなります。これがスピンオフです。
服部さん曰く、スピンオフだと株主に課税所得が発生してしまうので、実務上はあまり用いられないそうですが、会社法上は実行可能です。
また自益権の一つとして近時のトピックとしては株式買取請求権があります。こちらは岩倉先生の授業でも取り扱われましたが、事業譲渡時の反対株主買取請求権としてはカネボウ事件、全部取得条項付種類株式の取得価格の決定についてはレックス事件という2つの事件で重要な判決が出ています。(両方とも最高裁まで終わってないけどね)
共益権とは、株主が会社経営に参与し、取締役等の行為を監督是正する権利と定義されています。
議決権・総会説明請求権・代表訴訟提起権・取締役等の解任請求権などなど、こちらはすべてあがることができないほど権利が存在します。
講義では特に違法行為差止請求権と株式・新株予約権の差止め請求権が説明されました。
うーむ、そろそろレジュメやノートだけでなく、ざーっと会社法全般を押さえられる教科書がほしくなってきましたねー
なにか探してみましょう。
ちなみに次回はお待ちかねのコーポレートガバナンスです。

2009/05/13

M&Aの法務(国内法務)week5

共同研究室の助手さんが休みだったこともあってか(?)、事前配布資料はなかったですね。いやぁ、よかったよかった。あれ読むのためになるけど、結構大変なんですわ。この2週間くらいとても忙しいので助かりましたよ。

さて、今回と次回でM&A取引の方法と規正法ということで、株式譲渡・新株発行・合併などの各種取引の講義だそうです。
服部先生のM&Aストラクチャ論の法務的取り扱いを強化した感じっすかね。


まずは株式譲渡。特にTOB制度に関するトピックを最初に取り扱いました。
ところで…
最近、iPod Touch に入れた i六法のおかげで会社法の条文はしっかりと読むことができてるのですが、残念ながら金融商品取引法についてちゃんと読む機会がない。せっかくなので、ちゃんと読みたいもんだ…
さて、その金融商品取引法の27条で公開買付については規定してあるんだそうです。
また講義では改正の経緯ということで、ライブドア・日本放送や、ドンキホーテ・オリジン東秀などの事件の説明がありました。また、Exchange Tender Offer ということで株式を対価としたTOBについて日本で実施されない問題点などが説明されましたねー
この辺はすべて服部先生の講義でもやったのですが、若干切り口が違うので飽きずにきけますな。
逆に実践M&Aハンドブックとか読み返したくなるなー
次のトピックははじめて聞いた内容でした。「インサイダー取引規制」です。
そもそもなぜインサイダー規制が刑罰の対象になるのかという議論は結構おもしろかったです。課徴金などの対象はともかく刑事罰になるのが学問上はどうもすっきりしないらしい。こーいうどうでもいい議論大好きです。(笑
取引規制適用の要件、適用除外、罰則などについてかなり詳しく説明されました。うーん、こういう内容だったんですね。勉強になります。通常の事業会社で思ってるよりは適用要件は狭いっすね。
さてさて、5%ルール(大量保有報告書)と短期売買差益返還請求に関する話は、時間もなかったのでばばーっと走った感じでしたが、これまたおもろかったです。
この授業は、あまり法律法律してないんで、とてもおもろいっすな。

2009/05/06

株主買取請求権に関する裁判

さて、M&Aの法務(国内法務)の前回の配布資料をざっと目を通してみました。いろいろな資料が配布されましたが、やはり商事法務の記事が一番みやすいっすなー

秋学期の実務金融取引法のレポート課題をするときにも読みましたが、結構商事法務っておもろいわけです。服部先生の「M&Aと企業価値評価」と「M&Aストラクチャ論」を1年目にしっかりと聞いたからこそ、理解できる面白さですよね。この2つの授業と、服部先生の教科書は読めば読むほど勉強になりますなー♪

というわけで、レックスホールディング事件とカネボウ事件の商事法務のまとめをしておきます。法律用語とか詳しくないので、自分の意図したとおりにかけてるかどうか疑問なので、詳細はぜひ商事法務をご覧ください。(苦笑


レックス・ホールディングス事件東京地裁決定の検討 商事法務1837号
レックス・ホールディングス事件東京高裁決定の検討 商事法務1848号
実際の事実関係とかは商事法務の記事を読んでもらったり、下のサイトを見てもらうとして個人的な印象を述べます。下記のサイトも結構くわしいので、おもろいっすよ。
レックス事件の東京高裁決定を読む
要は業績修正後にMBAを発表・TOB実施。過半数以上取得後に総会特別決議をもってすべての株式を全部取得条項付種類株式に変更。そして少数株主の持株が端株になるような比率で、全部取得条項付種類株式を普通株式を対価にして交換。端株の株主に対して金銭交付。
この金銭交付の価格に不満をもった少数株主が、反対株主買取請求権を行使し裁判所に対して公正価格の決定を求めたという事件です。
個人的にポイントに感じるのは業績下方修正でしょうか。これが経営者が恣意的に虚偽報告をもって株価を下げたと判断するには、最終的な決算値が下方修正よりも上ぶれしないといけないと思うのですが、実際は更に下方修正を行った上で下ぶれしたとのこと。これがなかなか微妙ですよね。
んで、東京地裁判決では、旧レックス側の提示した買取価格=TOB価格(約23万円)を認めた判決になってます。
理由としては、TOB価格に対して大多数の株主が賛成したことと、対抗買収提案がなかったことからTOB価格が妥当であるという判断をしたということ。
このTOB価格はTOB発表前の株価の一ヶ月平均+20%弱の買収プレミアムで計算されており、業績下方修正前の株価よりはかなり低い価格で提示されています。
ちなみに判決では、直前平均株価+将来上昇した場合の期待キャピタルゲインを公正価格とすべきと主張してますが、これはどうも理解不能で、株価って将来の期待も織り込んで決まるんだからダブルカウントとしか思えん…
さて、少数株主側は当然納得できないので抗告。
そして東京高裁の判決では、大多数の株主のTOB応募や対抗買収提案がなかったことは、TOB価格が公正であったことの根拠にはならないと判断されます。根拠としては、TOB応募に反対した株主の買取請求額の判断に応募が多数であったことを用いるのは反対株主買取請求権の趣旨に合わないということと、TOB期間が短かったため対抗買収提案するためのDD期間はほぼなかったためとしています。
そのうえで、業績下方修正前も含む6ヶ月間の平均額+20%のプレミアムで38万円が妥当との判決を出しています。
20%のプレミアムについては地裁判決同様に将来の期待分だそうです。相変わらず意味不明だし、20%という根拠が謎です。なぜプレミアム分をすべて少数株主が得ることが出来るのかも疑問。
商事法務の記事では、この東京高裁の判決にはかなりダメ出しをしてます。
そもそも支配従属関係でなく、独立企業間の買収価格についてはずぶの素人である裁判所がTOB価格がをまったく無視して最初から公正価格を計算しなおすことはまったくもって不合理だとしています。また、俺の疑問にあったとおり価格上昇期待分はダブルカウントだと指摘します。
更に対抗買収提案はDDせずとも宣言だけして、旧レックスの買収を遅らせることは出来たはずなので、DD期間が短いというのは意味がないし、そもそも業績下方修正は正しい決算値へ近づく修正をしたのにそれ以前の株価をもって価格が決まるのもナンセンスと主張しています。
個人的には商事法務を書いている大田弁護士の言い分は至極もっともと思う一方で、裁判のような客観的な事実の積み上げで判決を出すような場合はどこまで理論的な主張が通るのか興味を持ちました。
すべて納得間がないから、一般論的にほどほどの価格で判決を出さざるを得ない裁判所も無能っぽいけど、他にどうするのかも疑問。
というわけで、最高裁ではどのような判決が出て、それが今後の実務にどういう影響を与えるか非常に興味ありですねー!
カネボウ株式買取価格決定申立事件の検討〔上〕 商事法務1837号
カネボウ株式買取価格決定申立事件の検討〔下〕 商事法務1838号
こちらは別にそんなに面白い裁判ではないのです。個人的には。
カネボウの営業譲渡に対する少数株主の反対株主買取請求権行使に関する裁判です。ポイントは東京地裁が非上場の継続事業の価値評価はDCF法による計算が妥当であるとして、正式にDCF法で公正価格を計算しているところです。
商事法務なのに、まるでバリュエーションの教科書のような議論が展開されています。
DCF法みたいな主観的なパラメータが非常に多い手法を裁判の判決に使うってのはどうなんですかね?
結果的にはカネボウ側(約130円)と少数株主側(500円~1500円)の間の一株360円という地裁判決となり、両者とも不満とし抗告しています。
これも最終的な判決がどうなるかが、今後のこの手の価格評価に影響を与えるんでしょうねー
結果が楽しみな裁判ではあります。

2009/05/04

M&Aの法務(国内法務)week4

今回まではトピック的な講義ということで、近時のホット・イシューで「利害相反関係」に関する話題を取り扱いました。

事前配布資料がレックスホールディング事件やカネボウ事件だったので、てっきり株主買取請求に関する授業と思ってました。ただ、どちらももしかすると春学期中に最高裁の判決が出るかもしれないということで後回しにするんだとか。

さて、利益相反関係というと会社法上の「特別利害関係の概念」というものは結構不明確なんだそうです。

株主総会における特別利害関係というと利害関係にある株主の議決については不公正であれば申し入れにより「取り消し可能」と定義されるのに対し、取締役会の特別利害関係というのは利害関係にある取締役の議決権は即無効という違いがあります。

ただし、なにをもって特別利害関係にあるか?などという部分は結構曖昧なんだとか。

さて、具体例のところではM&Aにおける「利害相反」について2つのポイントが解説されました。1
つ目は敵対的買収防衛策の文脈での利害相反。
ここでの利害相反というのは、主要株主と少数株主の間の利害相反になります。
例えば日本放送事件で、日本放送の第三者割当増資が違法とされたのは主要株主の利益のみを図ろうとして少数株主をないがしろにしたからです。
確かに主要株主は議決権により自らの利益は必ず確保できるわけなので、株主平等原則から少数株主の利益を確保することは当然にして取締役には要求されるし、主要株主にも要求されていいわけですね。特にアメリカでは明確に、主要株主というのは少数株主に対して信任義務を負うようです。
2つ目は支配従属関係取引における利害相反。つまりMBOにおける利害相反に関する具体例が取り扱われました。
株式会社リンク・セオリー・ホールディングスに対する公開買付けの開始に関するお知らせ
上のページの「(3) 本公開買付けの実施に至る過程(公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置等)」というところが講義で取り上げられました。
要はセオリーという会社がMBOをするという案件なんですが、このセオリーという会社はユニクロの子会社で柳井社長含む3名が取締役を務めているという状況だったわけです。非常に従属性が強い親子会社だったため、まず柳井さんたちは交渉からすべて外した上で、親会社も子会社も特別委員会という第3者機関を作り妥当性をチェックさせたという話です。
ちょっと状況が複雑なので、上手に書ききれてないのですが…
岩倉さん曰く、日本でここまで利害相反を回避しようとした例はないとのこと。(苦笑
ただ、そうまでしないとレックスのMBOが少数株主に訴えられたようにMBOでの利益相反というのは少数株主に損失を与えてると思われてしまうわけですねー
↓レックス事件はこちらをどうぞ。
レックス事件の東京高裁決定を読む(1)レックス・ホールディングスのMBO
近いうちにレックスホールディング事件やカネボウ事件などは、事前資料を熟読の上で概要とかをブログで書いてみようかと。いまさらですが。(笑