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2011/01/27

ハーバード白熱教室講義録

ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業(上)
マイケル サンデル Michael J. Sandel
早川書房
売り上げランキング: 518



ハーバード白熱教室講義録+東大特別授業(下)
マイケル サンデル Michael J. Sandel
早川書房
売り上げランキング: 782


昨年末に購入してなかなか読めなかったのですが、やっとこそ読了。

昨年かなり流行ったハーバード白熱教室の講義録ですね。英語で講義動画が無料配布されているのですが、どうも時間が取れずにいつまでも見れる気がしなかったので、読んじゃいました。

哲学というものが如何に現在の政治に影響しているかをよく理解できる。
すべても高校生にこの講義のDVDを見せてほしい。

一方で、実際の講義は事前課題やブログでも議論を前提にしているので、講義録だけみても少し理解に苦しむところがあるのも事実。特に哲学的に難解なところは講義録だけではフォローできないと思われる。

合わせて、この講義をもとにした独立した本になっている『これからの「正義」の話をしよう」を読むことをお勧めする。俺も読んでいるところ。

2011/01/24

英文契約書の基礎知識

英文契約書の基礎知識
英文契約書の基礎知識
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宮野 準治 飯泉 恵美子
ジャパンタイムズ
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出張の行きの飛行機の中で読み上げました。おかげで出張中の契約交渉で非常に役立ちました。実務で英文契約に一度苦戦したときにざっと読むと目から鱗が落ちるようによく読めるようになると思います。

サンプル契約も訳語付きの契約英語を読むことで、すごい訓練になる。苦しんでいる人はまず読むべし。

2010/09/27

Business Analysis and Valuation

Business Analysis and Valuation
Krishna G. Palepu Erik Peek Victor L. Bernard Paul Healy
Cengage Learning EMEA
売り上げランキング: 37953

企業分析について、ちゃんとした専門書を読んでなかったので、英語の学習を兼ねてチャレンジしてみました。英語は結構簡単に読めましたね。Part3の応用編はM&Aのところだけでしたが、残りは全部読みました。

企業分析を
Strategy Analysis
Accounting Analysis
Financial Analysis
Forecasting & Valuation
に分類してそれぞれを詳細に解説しています。

一般に3番目と4番目だけを独立してやっちゃう傾向にありますよねー
戦略分析をやるんだけど、それを財務数値と連動して考えずに、別個にしちゃう。また財務数値の妥当性チェックや補正などもしないで、そのまま分析しちゃう。

うむ、いろいろと勉強になります。

ただし、基礎的な本ではないので、ある程度会計基準などを理解してないとつらいかもしれませんね。
その辺はBATICの受験などをしてれば、大丈夫なレベルですが。

2010/02/28

組織論の参考書

修士研究が組織論とファイナンスの融合みたいなのだったので、結構組織論の資料を読み漁りました。

まずは古典的なコンテンジェンシー理論をまとめて、かの有名な野中先生の本。「<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4478430209/systemengine-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">組織の経営学―戦略と意思決定を支える</a>」でもいいけど、あっちよりかなり記述が詳細。実際の論文を理解するには最適。原論文は入手しづらいし。


組織と市場―組織の環境適合理論
野中 郁次郎
千倉書房
売り上げランキング: 68116


参考文献や先行研究を理解するいは下記の最適。組織論の先行研究を一冊にまとめてくれている学生には涙が出るほどありがたい本。おかげでほとんど原論文を参照しないで修士論文が書けた。


現代組織学説の偉人たち
デレック・S・ピュー デービット・J・ヒクソン
有斐閣
売り上げランキング: 314008


ここまでのは欧米の組織研究。日本企業の研究は一橋ビジネスレビューなどの雑誌以外では、下記の2冊が非常にわかりやすかった。日本企業、そして大企業に所属する身として実感できる内容ばかりだったね。非常に参考になった。欧米とはまた異なり、面白い。


組織戦略の考え方―企業経営の健全性のために (ちくま新書)
沼上 幹
筑摩書房
売り上げランキング: 2236



組織の“重さ”―日本的企業組織の再点検
沼上 幹 加藤 俊彦 田中 一弘 島本 実 軽部 大
日本経済新聞出版社
売り上げランキング: 69920

2009/12/15

国際法務戦略 week9-week10

この2回は国際的紛争解決の法務というテーマで森・濱田松本法律事務所の関戸弁護士の講義でした。

講義当時に来年3月に書籍を発売しますと言っていたのが、出版されているようなので冒頭で宣伝しといてあげよう 苦笑


日本企業のための米国民事訴訟対策
関戸 麦
商事法務
売り上げランキング: 104490

ここでは主に米国民事訴訟に焦点を当ててました。アンダーソン・毛利・友常法律事務所の寄附講義では、より一般的に取り扱ってた一方で浅かったですが、こっちは米国に絞っているので、かなり深く議論されていました。特に日本企業が被告とされる事例が前提。

日米の訴訟制度の違いやそれから発生するリスク、特にディスカバリーにおける秘密保護の問題や高額の損害賠償請求などや、米国での訴訟回避のコツなどが講義で説明されました。こういう具体的な国を意識しながらだと、裁判地選択条項や仲裁条項が重要だと理解できるもんだな。

クラスアクションのしっかりとした説明もここで始めて学んだ。受講生にGoogleの法務部門がいて、Google Bookなども担当していたようで、ここでかなり真剣に質問していたのが印象的だった。米国のクラスアクションのルールだと弁護士がなんでもかんでもクラスアクションにして儲けようとするから、あまりいい制度じゃない感じ。

何がなんでも米国裁判所の管轄になりたくないと思わせる講義だね 笑

そもそも日本の制度もまったく知らないので、二重の意味で勉強になりましたね。この講義を取らなかったら、まず間違いなく自分が巻き込まれるまで知らなかった知識です。事前に知っていることが、メリットになるような事態は起こらない方がいいですが… 苦笑

2009/11/28

国際法務戦略 week6-week8

3回の講義でM&A契約技術を取り扱います。

M&A取引契約ということでは岩倉先生の講義とかぶりますが、この講義では具体的な事例や判例を見ながらやるので、かなり具体的に理解が深まる感じです。また配布される資料に参考書的なのも多く、すごい役立つ感じ。

特に着目されたのが表明保証条項。米国の契約実務からの輸入品である表明保証条項は必ずしも日本法上で欧米の契約実務と同じように判断されるわけではないとのこと。
訴訟になり裁判所の判例が出ると本来の趣旨どおりにワークしなかったりするわけです。

いろいろな事例や曖昧さを回避する方法など、結構テクニカルに役立ちそうなTipsが多かったですね。

なお講師の方に、この講義のカバー範囲で、かつクロスボーダー取引で参考になりそうなのがあると聞いたところ、いくつは英語でしたが、さすがに法律の専門書を英語で読むのはしんどいので日本語のを購入。かなりわかりやすいのと、契約技術のところはかなりわかりやすいかと。


アメリカのM&A取引の実務
伊藤 廸子
有斐閣
売り上げランキング: 12275

2009/11/01

国際法務戦略 week3-5

ロースクールなどには交渉術のクラスがあるんだそうです。国際法務戦略の第3回-第5回では交渉のケーススタディをしました。

ハーバード交渉術の基本的な枠組みを講義したあと、2人組になり双方違う資料を配布され、準備をして交渉開始になります。双方の資料には、双方の事情や背景、そして実現したい事項やその理由が書かれています。

お互い相手がどのような理由で、何を要求しているのかわからないので、それを探りあいながら合意しようと頑張るのですが、これがまた上手くいかない… 苦笑
毎回、最後には交渉術の枠組みを使っておさらいをするので、非常に枠組みの理解も深まりますな。

中国企業への日本製造技術のライセンス契約における保証範囲、秘密保持の内容、改良技術の取り扱いの交渉は結構おもろかった。まったく中国と日本で考え方が違うことがよくわかった。
更にM&A交渉におけ表明保証と保障の交渉はかなり面白かった。あれは難しい。実務的にも役立ちそう。

合意に至ることが出来ない交渉を解きほぐしていくという演習は非常に役立つように思います。現実の交渉の模擬練習として。

講義とはまったく関係ありませんが、下記の本はオーソドックスでおもろいです。講師の書いている「<a href="http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4788708752/systemengine-22/ref=nosim/" name="amazletlink" target="_blank">そこが知りたい中国法務</a>」にも交渉術の枠組みと、中国人と交渉するときの注意点が書いてあり役立ちそうです。


ハーバード流交渉術 (知的生きかた文庫)
ロジャー フィッシャー 浅井 和子
三笠書房
売り上げランキング: 318

2009/10/27

企業戦略論 (下) 全社戦略編

企業戦略論【下】全社戦略編 競争優位の構築と持続
ジェイ・B・バーニー
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 61355


下巻は全社戦略に特化した内容になっています。

戦略的提携、多角化戦略、多角化戦略の組織体制、合併買収、国際戦略という目次構成となっています。

事業戦略と異なり、全社でどのように事業ポートフォリオを構築するか。多角化はどのようなものが会社にメリットをもたらし、どのようなデメリットがありえるか。提携やM&Aによる事業拡大はどのようにすべきか。グローバル展開する場合の統治体制にはどのような類型があるのか、などなどまさに全社戦略に関する記述ばかりです。

多角化やその組織の部分は修士論文に役立つし、M&Aや国際戦略は実際に仕事で役立ちそう。

どのような戦略が持続的競争優位があるのか。実務では往々にして、やることにフォーカスされてしまい、その戦略が本当に持続的に競争力の源泉になるかを十分に議論しないことが多い…

2009/10/09

国際法務戦略 week1 & 2

昨年度受講した同期から、とてもよいと聞いていたので受講してみることに。

中国法、交渉術、M&A契約技術、買収ファイナンス、国際訴訟という国際法務でのメジャートピックをカバーしている講義です。

初回のガイダンス終了後と、第二回目は中国法でした。

森・濱田松本事務所の射手矢弁護士という日経経済新聞のランキングでも上位常連の結構有名な中国法の弁護士さんが先生です。中国法の基礎的な部分をざくっと講義してもらいました。

中国の行政や司法の体制や、各種法制、土地の取り扱い、現地法人からの日本送金の可否、裁判判決や仲裁判断などの日本と中国での取り扱いの違い、などなど。
基本的な歴史や法整備の流れなどもおさらいしたのでざっと概観を掴むことが出来て非常によい講義でしたね。

彼の主張は、最近の中国では日本人が思っているより法整備は進んでいる。人治から法治へと変化しつつある。ただ、まだ法の運用部分が甘いので、そこに注意しないといけないとのこと。

講師の書いた参考書も買って読みましたが、ざっくり概観を掴むのに非常に手ごろですね。

そこが知りたい中国法務
射手矢 好雄
時事通信出版局
売り上げランキング: 32884

2009/08/21

コトラーの戦略的マーケティング

コトラーの戦略的マーケティング―いかに市場を創造し、攻略し、支配するか
フィリップ コトラー
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 8059
おすすめ度の平均: 4.5
5 市場・顧客重視の時代に必要な基礎知識
5 マーケティングを科学的に理解する良著
5 引き締まる想い
4 マーケティング思考の原点が学べる
5 「唯一の競争優位は企業としてどこよりも速く学習し、すばやく変化を遂げる能力以外にない」のだ!



グロービスでマーケティングを受講するということで、元広告代理店勤務の大学院同期に教えてもらったお勧め本のうちの一つ。
マーケティングの戦略面、戦術面、計画策定・実行管理という大きな枠組みをしっかりと書いた本。コトラーの他の本と違って、分厚くないので非常に読みやすく、ビジネスマンには確かにおすすめ。
でも、マーケ受講前に200ページほど読んでみた感動は、実はなんかありきたりのことばっか書いてあって、つまらんなぁ…、というもの。既に座学ベースではMBAマーケティングなどを読んでいたので、特に感銘もなかった感じ。
ところが、マーケティングをDay3まで終えてから読み返して、読了したときの感想としては、結構読み応えがあり、響くものもあった感じがしました。
どうやら、マーケティングというのは、そもそもが机上の空論だけではまったく意味がない学問だということのようです。経営戦略やファイナンスなどとは違い、自分で実務、せめてケースで頭を悩まして考えた経験を踏まえた上で座学をしないとまったくの無駄!ということなんですねー
ちょうどいま会社でも、市場調査っぽいことをやってるので、そういう経験を積んだ後に、また読むと結構味わい深いものになるのかなと。

2009/08/04

企業戦略論(中) 事業戦略論

企業戦略論【中】事業戦略編 競争優位の構築と持続
ジェイ・B・バーニー
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 11589
おすすめ度の平均: 5.0
5 とにかくわかりやい。
5 参考書のようだ
4 名著であるが、あえて難点を
5 MBA必読・必携の企業戦略論テキスト
5 これぞ企業戦略論のテキスト



上巻に続き、企業戦略論での指定テキストとしてしっかりと読み込むことができました。上巻がSWOT分析という環境分析だったのに対し、中巻は企業が特定事業において取るべき事業戦略について書かれています。
事業戦略としては垂直統合、コスト・リーダーシップ、製品差別化、柔軟性、暗黙的談合の5つが取上げられています。
この本の特徴は経営学の教科書として、それらをしっかりと経済学、組織論などを踏まえて、ちゃんと理論的にそして実務的に取り扱っていることですね。
戦略の定義、戦略の価値、戦略の持続的競争優位を如何に築くか、事業戦略を実現するための組織設計の4つ観点ですべての戦略を取り扱います。
定義の部分は非常に細かく書いてあり、コストリーダーシップなどでは、どのような要因がコスト優位を築きえるかなどが詳細に書かれています。そして特に持続的競争優位の箇所では、どの要素は模倣されやすいか、どの要素は模倣されずらいかなどがしっかりと書かれています。
往々にして、一般に企業の中で議論されている優位性というのは模倣されやすく、持続的競争優位をもたらないということがよくわかります。学問的な中身はともなく、戦略策定のマニュアルとしても非常によいですね。
企業は事業のバリューチェーンのうちどこを自社で行い、どこを市場から調達するか?コスト優位を如何に実現するか?顧客に対する製品価値を如何に上げるか?戦略の柔軟性はどのような価値を生み出し、どう評価すべきか?業界全体の超過価値をあげるために競合はどのように行動するか、またどのように競合は裏切るか?
というようなトピックに興味がある方は一読してみることをお勧めします。
ただ、読んだだけではとても理解しきれないので、是非ともケーススタディなんかを、この本の内容をベースにしてガシガシやりたいっすねぇー

2009/07/10

現代会社法week12-14

今回以降は、新会社法におけるM&Aの法務というテーマなのですが、M&Aの講義を取ってない初歩的な内容ということで、M&Aはかなり手厚く履修しているのお休みにしました。

あとから同期に資料をもらったところ、服部先生や岩倉先生の講義のカバー範囲だったそうです。

この授業は、会社法の考え方というか、物事の捉え方を理解するのは非常に有意義な授業だったと思います。
会社設立・株式(種類株式含む)・株主権・株式発行や、株式会社における機関(取締役会・株主総会)などの概観をしっかりと抑えることができたのは非常によかったですね。ところどころで説明される布井先生のTipsなども非常にわかりやすかったです。

この授業を基礎として、一冊会社法の本を読んでみると非常にわかりやすいかも。
会社法の基礎事項を押さえる意味でも聴講するだけの価値はある授業だったと感じています。
とりあえず同期に薦めてもらった下記の書籍でも夏休み中に読んでみましょうかねー

上場会社法入門
上場会社法入門
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森田 章
有斐閣
売り上げランキング: 328661

2009/06/06

M&Aの法務(国内法務)week8

「M&A取引契約の成立と内容」というテーマの2回目で今回は予備的契約段階(LOI・MOU)に関する法的事項が講義なされました。

今回は特に民法やら民事訴訟法の概念が出てきたので、非常に難しかったですね。
ただ、ビジネスにおける法律解釈の感覚をわずかながら理解できることができたと思います。よい授業でした。

さて、具体的なトピックとしては基本合意書における契約条項の法的拘束力に関する内容になります。佐山・服部などの講義では、基本合意書はまったく法的拘束力を持たないと言ってますが、これは当然ディールの中身の部分に限定された主張になります。

通常は、いくつかの契約条項に限定して法的拘束力を持たせます。秘密保持契約・相互の許可なしには公表しない・独占交渉権などが該当します。

今回の授業で重点的に取り扱った UFJ・住友信託銀行事件では、最後の独占交渉権違反を法的にどう取り扱うのか?ということが裁判で争われました。
事件自体は新聞でも取り上げられたし、ネットでも沢山記事があるので見てもらうことにして、ここでは概要だけ説明します。
UFJが信託営業事業を住友信託銀行へ売却交渉をしていたところ、信託営業を売却したところで企業として存続できる見込みがなくなったので、住友信託銀行との独占交渉権を破棄して企業自体を東京三菱と統合した、というのがあらすじになります。
この事例に関しては、まず住友信託銀行は統合差止めの仮処分を裁判で争い、その裁判で負けたあとは損害賠償請求の裁判をしています。(こちらは和解)
授業での焦点は前者の差止め請求に関する解釈です。そもそもM&Aの基本合意における独占交渉権はどこまで法的拘束力を持つのか?違反した場合に、違反した交渉を差止めることは認められるのか?
法律オンチの俺にとっては、そもそも法的拘束力がある契約条項があっても、違反した場合にどこまで相手方に請求可能かなどとは考えたことがなかったですね。
賠償請求ができるのか?そもそも違反した行為自体を差止められるのか?などの段階の違いというのは考えたこともなかったです。
さて、東京地裁から最高裁まで一貫してこの契約条項自体に法的拘束力があることを認めたものの、最終的な最高裁判決では差止めは認めませんでした。
その理由としては、UFJの経営状況を考えると、仮処分が妥当とは考えられない(若干法律的には間違ってるかも…)ということをあげています。
ポイントは最高裁はM&Aにおける独占交渉権をどう取り扱うべきかという問題には立ち入らず、「今回の件は差止め請求が認められるべき状況ではない」という判決で逃げてしまったところです。
岩倉さんの主張は、「そもそも本契約条項には差止め請求権を認めるべきでない」とのこと。
ちょっと民法やら民訴法の概念が出てきたので、文章にはできないのですが、実務的にも本契約条項に差止めを認めることはできずに、請求権自体を棄却するのが合理的とのこと。今回裁判所がそこに踏み込まなかったところは、日本の裁判官がビジネスを分かってないので、難しい問題を逃げたのでは?とまで言ってました。(笑
しかし、実際には今回の訴訟を受け実務上は、独占交渉権などに違反した場合は違約金いくらを支払うべしと明記することで、訴訟を回避するようになったようですね。
いやぁ、久々にハードな授業でしたよ。でも、おもろかった。最後に参考文献で配られた書籍を備忘録としてのせておきます。立ち読みしてみようっと。


企業法務判例ケーススタディ300 企業組織編
岩倉 正和 佐藤 丈文
金融財政事情研究会
売り上げランキング: 423481

2009/05/03

現代会社法 week4

種類株式の話でしたね。会社法107条と108条に関するトピックを説明していました。どうやらこの講義はM&Aや、コーポレートガバナンスの講義の基礎事項確認という位置付けでもあるらしいので、種類株式などの基礎的な部はしっかりと説明されるというスタンスのようです。

すべての種類株式の説明に加え、複数議決権株式や買収防衛策に関するトピックなどが取り扱われました。この辺は秋学期の金融実務取引法の課題レポートをやるときに色々調べたのでよい復習になったね。
『M&A最強の選択』や『会社法を活かす経営』とあわせて読むとよし。


ちなみに冒頭で会社法から追加された『株主平等原則』についてのトピックが結構楽しかったです。こーいうのを聞くと、やっぱりこの授業は出続けようと思いますね。
株主優待券で○株以上で優待するのは株主平等原則に反しないのか?
これは布井先生の考えでは、会社法の趣旨や株主優待の趣旨をかんがみれば平等原則には抵触しないと考えられるのでは?とのこと。結構私的コメントっぽく言っていたので、実は結構議論になるところなんでしょうね。

また、買収防衛策における新株予約権の交付は株主平等原則に反しないのか?
これは例のブルドックソース事件の判例をしっかり読んでおくようにと宿題が出ました。
というわけで、ちょうどM&Aの法務でブルドック事件の最高裁判決が資料で配布されてたので見てみたのですが…

新株予約権自体は株式ではないので株主平等原則の対象ではないとされています。ただし既存株主に対して新株予約権を配布するとした場合に、その既存株主を差別することは株主平等原則に反するとなっています。
ほー、なるほどねー、と感心してしまいましたね。金融の世界というのは、まったくもって法律が大事だよなーと思いましたとさ。
ちなみに、こんな本も持ってるので近いうちに読んでみたいです。結構実務よりなので楽しそうです。春学期中には読みたいところ。

戦略資本政策―新時代の新株予約権・種類株式活用法
野口 真人 中嶋 克久
中央経済社
売り上げランキング: 29004
おすすめ度の平均: 5.0
5 実用的
5 参考になりました
4 種類株式に興味のある方は必見
5 全体的に分かりやすい

2009/04/29

資源ベースの経営戦略

修士研究を考える材料として組織論を押さえようということで「組織の経営学」に続き読んでみました。立ち読みしたところ組織の経済学を踏まえた内容っぽかったので。

読み終わった感想としては、非常に分かりやすく全社戦略の本としては非常によいですな。ただ、経済学的取扱いはちょっと俺の思ってた内容とは違ってました…(泣

資源ベースの経営戦略論
デビッド J.コリス シンシア A.モンゴメリー 根来 龍之 蛭田 啓 久保 亮一
東洋経済新報社
売り上げランキング: 55398
おすすめ度の平均: 5.0
5 RBVの参考書として最適
5 企業経営戦略にとっての最強の教科書
5 全社戦略の解説は平易で明瞭
5 読みやすく、図表が効果的に配置、RBVの基礎ならこれ1冊でOK!
5 戦略論の基礎をしっかり押さえています




まぁ、当然といえば当然でこの本には罪はありませんが、組織の経済学の結論を使って全社戦略を論じてるだけなので、経済学的な議論の部分は定性的なんですわな。
というわけで、当初の思惑とは違いましたが、全社戦略の本としてはかなりよいのではないでしょうか。いままで事業戦略の本は少しは読んだことがあったのですが、全社戦略の本というのは初めて読んだような気がします。
この本の特徴は競争優位ではなく、企業優位という概念を明確にしたことですね。
企業は保有する資源・事業軍・組織がすべて整合性を取れていて初めて、企業全体としての価値が出ると主張しています。そのバランスが取れていない企業は、各事業が専業会社として存在する場合に対して価値を創造できていないこととなり多角化企業としての存在価値はなくなってしまいます。
第1章に書かれている内容が印象的で

1) その事業を所有することで、企業内のほかの事業でベネフィットを創出しているか?
2) その事業から創出されるベネフィットは(その事業を所有することから生じる)企業の本社費用よりも大きいか?
3) 企業がその事業から創出するベネフィットは、その事業をほかの企業が所有した場合や現在とは異なるガバナンス形態を採用した場合を上回るか?

これがいえなければ企業優位があるとはいえないだそうです。3つ目のは日本企業は重く受け止め、しっかりと考えるべきですね。
と、全体としては如何に企業優位を構築するかという内容なのですが、個別の内容でも結構ためになることが沢山書いてあります。すべての章が理論編と実践編に分かれているのも、すべて読んだあとに見返すとわかりやすいです。
読んでいるときは若干全体像がわかりづらくなって、面倒だけど。(笑
あと、この本の章構成は若干理解しにくいように感じますねー
全体的な流れがよくわからなくなることがあるので、しょっちゅう前書きにある章ごとの記述内容を確認しながら読みました。全体感がつかめると非常にわかりやすいですけどね。

3章と4章では企業が保有する資源についてどのように評価するか?どのように資源を獲得していくか?自社の資源を活かした多角化はどのようなものか?などが議論されます。企業の競争優位の源泉は保有する資源であり、その資源を如何に活かした多角化をするかが大事であるという、資源ベース理論の基本的な考え方が示されます。3章では規模の経済と範囲の経済について説明がされます。

5章では垂直統合に関わる議論として、どの機能を市場から調達し、どの機能を社内に持つかということが経済学で言う取引費用理論というものを使って議論されます。企業の境界をどう決めるかということですね。

6章は多角化企業における組織のマネジメントをどうするかということで組織論に関する話です。ここの理論的取り扱いがもう少し踏み込んでくれれば修士研究に使えたんですけどね。(苦笑

7章は企業優位に関する章でこの本のそうまとめ的位置付けです。第8章のコーポレートガバナンスは別になくてもいい感じ。(笑

全社戦略という概念をはじめて学んだので読みながら戸惑うこともありましたが、読み終わってみると結構素晴らしい本だったように感じます。いま俺が所属する事業企画みたいな組織だと実践的にも結構使える考え方が多かったと思います。結構明日からの業務に活かせるのでは?
新規事業の提案とか成長戦略を議論するときに、市場の成長性とか議論することはあっても、自社の資源についてしっかりと議論することは社内でも少ないように感じます。また、他社の資源については更にそう。やはりポジショニングだけではダメで、資源に関する議論をしっかりとやらねばならんなぁ…
さて、とはいえ修士論文用にはもう一冊買っちゃいました。概論は大体もう分かったのでリファレンス用に使おうかと。分厚いのと経済学的取り扱いがしっかりしすぎてるので、全部読むには時間かかりすぎかなーと思うので。

組織の経済学
組織の経済学
posted with amazlet at 09.04.29
ポール・ミルグロム ジョン・ロバーツ 奥野 正寛 伊藤 秀史 今井 晴雄 八木 甫
NTT出版
売り上げランキング: 80621
おすすめ度の平均: 5.0
5 組織について勉強したいなら、まずは本書。
5 7部構成だが、どこから読んでも凄い本である
5 組織分析の必読書
4 難しいことが簡単に
5 難しいけど面白い本

2009/04/11

企業戦略論【上】基本編 競争優位の構築と持続

競争戦略論が物足りなかったので、欧米MBAテキストでAmazonでも評価が高かったバーニー三部作を買ってみました。

夏にはグロービスかCICOMでケースをやりたいので、基礎的な経営戦略論や組織論などは押さえておきたいですな。修士研究でも組織論や経営戦略論は使えるので。

企業戦略論【上】基本編 競争優位の構築と持続
ジェイ・B・バーニー
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 8329
おすすめ度の平均: 5.0
5 とにかくわかりやい。
5 参考書のようだ
4 名著であるが、あえて難点を
5 MBA必読・必携の企業戦略論テキスト
5 これぞ企業戦略論のテキスト




個人的な考えですが、企業戦略論の理論的背景というのは一度理解していたほうが戦略立案などに役立つと考えています。フレームワークを振り回すだけの戦略策定には意味がないので、産業構造の仕組みや組織論などをしっかりと押さえた経営戦略の理論的理解を一度しっかりとしておく必要があると思います。
そういう意味ではこの本は非常にいいですね。原書ではⅢ部構成になっていて第Ⅰ部が上巻として訳されています。
第1章は戦略とはなにかということでここでは定義が説明されます。
第2章では企業パフォーマンスを如何に測定するかということで、戦略の教科書なのにROIC、MVA、イベントスタディ、WACCなどが出てくるんですねー
ちょっとびっくりしますが、確かに企業の戦略等を評価するためにはこれらの指標は外せないわけです。他の章でもやはり全体的に実証分析を意識した表記があり、実際の企業における実証分析に裏付けられた理論という感じがします。
第3章~第5章は、SWOT分析のそれぞれの要素の分析を如何にやるかに焦点があてられます。
脅威の分析についてはポーターの5F、機会の分析についても同様に業界のステージごとにどのような機会があるかということが網羅的に解説されます。
脅威と機会の分析については産業組織論というミクロ経済学をベースにした理論展開が行われます。
もともとは如何に効率的に財を分配するか、つまり特定の企業だけに独占的に利益が上がらないように規制するための独占禁止法のような行政の立場から展開された理論のようです。それを逆手にとれば如何に特定企業が利益を上げることができるかということになるんですね。
多少経済学っぽい記述も多いですが、業界ごとの説明や個別の機会・脅威の説明などはしっかりと書いてあり、業界分析をする際の前提知識として押さえておくと非常によいと思います。
強みと弱みについては資源ベース理論という戦略論の理論に準拠した理論展開がされます。
バリューチェーン分析から企業の経営資源を特定したり、経済価値・稀少性・模倣困難性・組織の4つの要因を満たすものほど強みの程度が大きいとされます。
組織は補完的概念なのでおいておくと、価値があり稀少であり模倣困難である経営資源が持続的競争優位を維持するために必要な企業の強みとなるわけです。
まぁ全体的な理論展開などは正直実際の実務では使えないとは思いますが、業界分析や自社分析ではどのような分析が必要ななのか?業界状況ごとに考えるべきことは何か?なにを持って強みとするのか?などをしっかりと理解できるので、一度読んでおくべきかと思います。ポーターの競争の戦略よりもわかりやすいし、内容も新しいのでよいかと。
演習問題も結構よい問題が多そう。これを誰かとディスカッションするとますます理解が深まり、現実への適用性が高まる気がする。読んでるだけではもったいない…
ちなみに中下巻も読む予定ですが、『資源ベースの経営戦略論』の方が修士研究に直結しそうなのでゼミ発表のために先に読む可能性も高しです。