つい最近第2版が出たのですが、もっているので読まないのはもったいないのでとりあえずざーっと読んでみました♪
(第3章の買収ファイナンス契約だけは専門的すぎるのと、最新の法律とかを反映したのが読みたいので今回は省略しまいした)
笹山 幸嗣 村岡 香奈子
金融財政事情研究会
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おすすめ度の平均: 

非常に実務的
必読の実務書
恐らく本邦初のAcquisition Finance Handbookこの本はいままで読んだM&Aの本とは根本的に違う本ですね。何が違うかというと、M&Aの実行において資金提供する金融機関の立場で書かれた本だからです。
M&A 特にバイアウトにおける買収ファイナンスを取り扱った本で、欧米ではAcquisition Financeと呼ばれるらしいです。
当然、金融機関側の立場を理解する必要があるので、投資銀行等のM&Aアドバイザーなどにも役立つ内容ですねー
法律に関する記述が多いため多少難しいですが、すごい読みやすい本です。理路整然とすっきりとまとめられています。
第2章のシニア・ローンとメザニン・ファイナンスのところは、かなり面白かったです。
劣後債において、どのような法的解釈をして、ストラクチャすることで、シニア・ローンに対する劣後性を確保するのかというところは、なんか服部先生の実践M&Aマネジメントでもあったように、案件設計するというアドバイザーや金融機関側担当者の腕の見せ所なのかもしれません。
バイアウトの期末課題にあった、タームローンA,Bやリボルバーなどについても非常に丁寧に書いてあり、よくわかります。
また、金融機関側の視点から見ることで、LBOやバイアウトに向いた案件が非常にすっきりと理解できます。
PEファンド側はリターンが取りたいわけですから、買収価格のうちエクイティ部分は比較的わかりやすく決まります。要は残りの資金が、シニア・ローンやメザニンで調達できるかというのが、案件成立のポイントになるのでしょう。そうなると、当然金融機関がどのような観点で資金提供の意思決定をするのかが大事になるんですねー
第3章は概要だけ読んで飛ばしました。そのうち、自分がこの辺の話に関わるのであれば、第2版を買って真面目に読みましょう。そんな日が来るかは不明ですが。(笑
第4章の公開企業買収と買収ファイナンスについては、TOBをやる際のファイナンスについてこれまたわかりやすく書いてあります。というか、内容の難易度は別にして本全体がわかりやすいです。
LBOでは買収対象会社に保証・担保を設定しなくてはいけません。少数株主が存在する段階で、そのような特定株主を有利にすることをすると、取締役が少数株主に訴えられるので、LBOは敵対的買収には使いづらいという説明は、ライブドア事件のときのマスコミの議論が如何に混乱してたかがよくわかります。
私も完全に腑に落ちて理解しきってるわけではないので、素晴らしさを上手く説明できないのですが、一通り読んだ後に第5章の仮想ケーススタディを読んだときに、自分が買収ファイナンスについてなんとなく理解できてることがわかってかなり感動しました。
LBOに興味がある人などは一度読んでみると面白いと思いますよ。
しかし、服部先生の本でも思ったが、M&Aというのは経営法務の理解が必須なんですねー

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