2008/08/29

ファンドの時代

Antelopeのメーリングリストで紹介されてた本。最近,バイアウト系の本を数冊読んでいたので,PEファンドの歴史本を読んでみようかと思って買ってみました。

ファンドの時代
ファンドの時代
posted with amazlet at 08.08.28
野口 均
千倉書房
売り上げランキング: 255689
おすすめ度の平均: 5.0
5 PEファンドへの理解が深まります
4 臨場感あふれる本
5 負けるな!
5 そうだったのか……
5 類書の中で最もわかりやすかった



日本における独立系プライベート・エクイティ・ファンド,特にユニゾン・キャピタル/アドバンテッジ・パートナーズ/MKSパートナーズを大きく取り上げた 1998年~2005年末までの歴史を取り扱ってます。
まず上記3つのファンドの創設者がファンドを組成するまでを日本のマクロ環境を踏まえて記述があります。その中ではカーライルやリップルウッドも出てきますし,非独立系ファンドもいくつか紹介されていきます。
最近,ようやく興味を持ってきたため,聞いたことある社名や人物がどのような経緯で,いまのような状況になってきたかがわかりますねー
バイアウトの授業ででてきたユニゾン・キャピタル時代の話とかも,鮮明に思い出すことができました。ちなみに佐山さんや林さんも登場人物として出てきます。佐山さんなんか,後半は結構コメントがあったりして,ああもうずいぶん前から授業で言ってた内容をずっと言ってたんだなということがわかります。(本人もオレはずっと前からこういっているとか言ってるし)
また不動産ファンドも1章割いて説明されていて,J-REITについても少しわかりましたねー
あと,PEファンドに投資する側として,日本の機関投資家としてもソニー生命や大同生命などが出てきます。こちらもまた時代背景を知る意味では,いいですねー
ただ,個人的には最終章のファンドの本質についての記述が気に入りました。
ファンドは飽くまでもリターンを追及する存在だが,それゆえにリスクマネーの供給という役割と,経営と所有の一致を通して経営者支配の日本に楔を打つ存在だというくだりがなかなか気に入りましたね。
少なくともあと数年は,PEファンドの時代がつづくような気がしますね。
まぁ,2006年の本なので,もう2年たってるので,全然状況は変わってるだろうし,時代はどんどん先に進むので,この本の理解がいまどこまで通用するのかもわかりません。
ただ,これからPEファンドに関する情報収集するには,土台の知識として非常に有意義な本だと思います。あとは,新聞やニュースや日経ビジネス・IR情報などで最新状況までフォローしよっと。

0 件のコメント:

コメントを投稿