2008/08/31

金融工学入門

この本も第14章~第16章を読み終わっていないので,読み終わってからブログに書こうと思ってましたが,手がまわらないのでとりあえず書いておきます。

2008年春学期で,もっとも真面目に読んだ本ですね。おかげで,ファイナンス理論の基礎を乗り切ることができたといっても過言ではないでしょう。また秋学期でもなんどか読み返すことになると思われます。

金融工学入門
金融工学入門
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デービッド・G. ルーエンバーガー
日本経済新聞社
売り上げランキング: 74560
おすすめ度の平均: 4.5
5 理系には絶対お勧め!
5 工学的見地から書かれた俯瞰図的名著
4 金融知識の整理に最適



さて,この本はまさにファイナンス理論の基礎を丁寧に説明してくれる本です。
大学1年クラスの数学があれば問題ないレベルの数学しか使われません。線形代数が使われないので,簡単な微分積分ができれば読めるレベルです。
第Ⅰ部で債券や金利の期間構造や,一般の投資などのようにキャッシュフローが確定しているモデルを取り扱います。第Ⅱ部は一期間確率的モデルということで,おもにマルコヴィッツモデル・CAPM・APTなどが取り使われます。第3部がデリバティブですね。第Ⅳ部は読んでいないのでなんともいえませんが,応用編のようです。(苦笑


非常によい本ですね。ただ,入門書特有で,多少よくわからん手の抜き方をして書いているところがあり,論理の飛躍や説明不足が多少あるようにも思います。
なので,数学的取り扱いがしっかりしていて同じ範囲をカバーしている『現代ファイナンスの基礎理論』とあわせて読むとよいと思います。こっちの方がミクロ経済学を強く意識している第9章などが,本多先生の授業対策にはおすすめかもしれませんねー
春学期はこの本を学ぶことに重点がおかれていたため,本当にお世話になった一冊ですね。ぜひぜひ皆様もお読みください。
第14章~第16章はいつか読むかもしれませんが,おそらくそのときは別のアドバンスドな本を読むと思うので,もう読まないかもしれませんね。(苦笑

ファイナンスのための確率解析〈1〉

金融数理の基礎の教科書です。
授業で取り扱わなかった第6章を読んでからブログに書こうと思ってたのですが,ちょっと数理ファイナンスの優先順位を落とすことにしたので,しばらく読めそうにないですね。

ファイナンスのための確率解析〈1〉二項モデルによる資産価格評価
S.E. シュリーヴ
シュプリンガーフェアラーク東京
売り上げランキング: 180841



金融数理の基礎では,この本を第1章~第5章までしっかりとやることになります。
基本的に数学的な取り扱いにおいて一切の論理飛躍はなく,丁寧な記述で首尾一貫した良書だと思います。演習問題も豊富で,ネット上に自作の解答が見つけれられるので自習にも適していると思われます。
(ただ授業のレポート等で解答を見ていると,まったく実力がつかないのでおすすめしません。試験や連続理論へいくときに後悔するでしょう。)
第1章でリスク中立評価式によるオプション価格付けの計算をします。ここでは難しい数学の概念はなく,複製ポートフォリオを作り,式変形でリスク中立評価式を導出します。
第2章では,第1章の内容を条件付確率やマルチンゲールという概念などを導入し,数学的取り扱いを整備します。
正直なところ,2項モデルの範囲だけ見ていると第2章の高度な数学概念がなぜ必要かとかがまったくわかりません。ただ,有識者に聞くところによると,この辺をしっかり理解しておくと連続理論を学ぶときに有意義なんだとか。
第3章は状態価格とラドン・ニコディム微分が導入されます。このラドン・ニコディム微分も連続時間理論だとわかりやすいんでしょうが,2項モデルでは多少もてあまし気味です。
と,ここまで書くと,なんかこの本は微妙に物足りないのでは?などと思う人がいると思います。
数学が得意な人は,素直に第2巻の連続理論をやったほうがいいとオレも思ったりします。ただ,初心者はやっぱり2項モデルから入るのがよいと思うので,数学に自信がない方はここから読んだ方がいいですねー
第4章はアメリカン・デリバティブの価格付けです。
ここは正直一番難しかったですね。停止時刻という考え方が導入されるし,基本的に数式いじりが複雑化するため,背後の数学を理解するのが多少困難になります。
ちゃんと理解してしまえば,大したことではないのですが,とにかく数式いじりが多いです。写経と思って頑張りましょう。
第5章はランダムウォークです。ランダム・ウォークも離散時間をやってるレベルでは,ただの数学でファイナンス的な取り扱いは乏しいです。
第6章は派生金利証券で,どうしても読みたかったのですが,またの機会にすることにしました。
第6章を後回しにした理由も同じなのですが,この本はやはり次に連続時間理論をやる人に最適なんでしょうね。ここで勉強をやめてしまうと,中途半端な読後感は否めません。
てか,まぁ,連続時間理論をやらないのに,この本を読もうと思う人もいないと思いますが…(笑
ファイナンスのための確率解析 (2)』が連続時間理論ですね。一応買うだけ買いましたが,おそらくちゃんと読むことはしばらくないと思います。辞書代わりに使おうと思います。
さてさて,本当だったら夏季休暇中に連続時間理論を少しでもやるつもりだったのですが,少し時間が足りずに手がまわらない可能性が高くなってきましたねぇ…
秋学期の授業で知っておいた方がいいのと,計量ファイナンス系の人たちには授業があるので,多少負けたくないという幼稚な気持ちもあるのよねー(笑

2008/08/29

ファンドの時代

Antelopeのメーリングリストで紹介されてた本。最近,バイアウト系の本を数冊読んでいたので,PEファンドの歴史本を読んでみようかと思って買ってみました。

ファンドの時代
ファンドの時代
posted with amazlet at 08.08.28
野口 均
千倉書房
売り上げランキング: 255689
おすすめ度の平均: 5.0
5 PEファンドへの理解が深まります
4 臨場感あふれる本
5 負けるな!
5 そうだったのか……
5 類書の中で最もわかりやすかった



日本における独立系プライベート・エクイティ・ファンド,特にユニゾン・キャピタル/アドバンテッジ・パートナーズ/MKSパートナーズを大きく取り上げた 1998年~2005年末までの歴史を取り扱ってます。
まず上記3つのファンドの創設者がファンドを組成するまでを日本のマクロ環境を踏まえて記述があります。その中ではカーライルやリップルウッドも出てきますし,非独立系ファンドもいくつか紹介されていきます。
最近,ようやく興味を持ってきたため,聞いたことある社名や人物がどのような経緯で,いまのような状況になってきたかがわかりますねー
バイアウトの授業ででてきたユニゾン・キャピタル時代の話とかも,鮮明に思い出すことができました。ちなみに佐山さんや林さんも登場人物として出てきます。佐山さんなんか,後半は結構コメントがあったりして,ああもうずいぶん前から授業で言ってた内容をずっと言ってたんだなということがわかります。(本人もオレはずっと前からこういっているとか言ってるし)
また不動産ファンドも1章割いて説明されていて,J-REITについても少しわかりましたねー
あと,PEファンドに投資する側として,日本の機関投資家としてもソニー生命や大同生命などが出てきます。こちらもまた時代背景を知る意味では,いいですねー
ただ,個人的には最終章のファンドの本質についての記述が気に入りました。
ファンドは飽くまでもリターンを追及する存在だが,それゆえにリスクマネーの供給という役割と,経営と所有の一致を通して経営者支配の日本に楔を打つ存在だというくだりがなかなか気に入りましたね。
少なくともあと数年は,PEファンドの時代がつづくような気がしますね。
まぁ,2006年の本なので,もう2年たってるので,全然状況は変わってるだろうし,時代はどんどん先に進むので,この本の理解がいまどこまで通用するのかもわかりません。
ただ,これからPEファンドに関する情報収集するには,土台の知識として非常に有意義な本だと思います。あとは,新聞やニュースや日経ビジネス・IR情報などで最新状況までフォローしよっと。

2008/08/26

投資事業組合とは何か

前回の本で失敗したので,懲りずに投資事業組合関連の入門書を買ってみました。こちらはAmazonで書評を確認してから買ったので大丈夫です。
やっぱり,物理にせよ,数学にせよ,なにかを知るときには入門書で概観を掴んでから詳細というのが王道ですからね。


投資事業組合とは何か
田中 慎一 保田隆明
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 16542
おすすめ度の平均: 4.5
5 The 入門書
4 読みやすくて、わかりやすい
5 読み易すぎる(;;)
5 ”投資ファンド”、”投資事業組合”などを理解したいなら
5 夢を与えてくれる「投資事業組合」



さて,この本は基本と仕組み本に比べて,格段によい入門書ですね。
投資事業組合とは何かに始まり,任意組合・匿名組合・投資事業有限責任組合が導入され,それがちゃんと特徴ごとに比較されます。ただの羅列だった基本と仕組み本と比べてわかりやすいったらないですね。(笑
そのあとに,任意組合・匿名組合・投資事業有限責任組合のメリット・デメリットの比較に続き,日本版LLCと日本版LLPとの違いもわかりやすく紹介されます。つづいてライブドア事件や村上ファンド事件で,よくマスコミで取り上げられた投資事業組合のトピックの説明があります。
あまり意識してなかったのですが,一般人からすると投資事業組合というとライブドアというイメージが強かったそうです。
なぜか,オレはライブドアというとSPCのイメージが強いのですが…?
そしてライブドア事件等を受け,金融商品取引法によりどのような規制が投資組合に増えるかが説明されます。この本は金融商品取引法の施行前ですが,特に違和感は感じないですね。
適格機関投資家がいるとなぜ規制が緩和されるかなどが直感的に非常にわかりやすいですね。全体感がばっちりわかります。
次は契約のポイントですね。バイアウトの授業でも出てきた「投資委員会」「キーマン条項」「クローバック条項」なども出てきます。これを読んでから,授業でも紹介されたモデル契約を読むと非常にすっきりしますね。
最後はケーススタディで,まぁこちらは普通の内容ですね。(笑
この本を読んで全体感を掴んでから,基本と仕組み本の個別具体の話を読むと,まぁわかりますね。しかし,基本と仕組み本は,正直この本があればいらんですね…(苦笑
さてと,これでバイアウトの水谷さんと石綿さんの授業のレジュメが格段と理解できるようになりましたね。あの2人のは実務的すぎて,正直授業のときは理解しきれんかった。でも,いま読むとすげぇわかるんだわ。これが♪

お誕生日

ゆうちゃんは4歳さんになりました♪

誕生日プレゼントについても,今年はしっかりと意識しておねだりされましたよ。(笑
プリキュアの,ミルキーローズのお洋服です。いやぁ,俺らの子供の頃にもこういうのあったんだろうけど,買ってもらわなかったよねぇとママとしみじみ時代の流れを感じてしまったよ。

こっけいな感じになると思ったのですが意外にゆうちゃんは似合ってましたね。

さて,ご飯もしっかりリクエストして,ゆうちゃんの好きなハンバーグです。ケーキにもろうそくを4本立てました!
さすがに吹き消すところはパパがヘルプしましたが,もうしっかりとしたお誕生日会ですよ!
4歳さんになるのもう,完全に幼児ですね。赤ちゃんぽさは2,3歳くらいからなくなりますが,ここまで来ると完全に子供という感じです。
これから,もっともっと元気に成長してってくださいね。

2008/08/25

崖の上のぽにょ

ある日,パパが帰ってくるとゆうちゃんが「ぽーにょ,ぽーにょ,さかなのこぉ~」と歌っています。
どうやら,映画のCMを見て覚えたみたいです。なので,パパが

「ゆうちゃん,ぽにょ見に行こうか?」

と言ったところ

「行く~!」

と,行く気まんまん。


実は,ゆうちゃんのおうちから映画館は歩いて5分だったりします。いままでは小さかったので,行かなかったですが,ゆうちゃんももうすぐ4歳さんなので,大丈夫でしょう。
というわけで,行ってまいりましたよ~
なかなかおもろかったですね。話としては,まぁ人魚姫の宮崎駿版というのがぴったりですね。
ゆうちゃんも,ちゃんと寝ちゃったりせずに,2時間映画を見ることができました♪
ゆうちゃんだけじゃけじゃなくて,パパやママも映画をちょっと見に行くには,ちょうどいいですね。歩いて5分なんですから。これからはちょくちょくいくことにしましょー

2008/08/21

ちょっとそこまで

先週の日曜日ですが、ゆうちゃんと自転車の空気を入れてたのですが…
せっかく空気でも入れたので、ちょっと散歩しようか!

ということで、なぜか海まで遊びに行ってしまいました。(笑

湘南の海まで、自転車で20分というのは贅沢っちゃ贅沢ですねぇ。
もう6時半を過ぎてたので、暗かったのですが、ゆうちゃんは波打ち際で波に足を濡らして、すごい楽しそうでした♪

今度は昼間にこよっと。

2008/08/20

M&Aファイナンス

佐山ゼミで、もし1冊目が終われば読むはずだった参考書。バイアウトのゲストスピーカーでもいらっしゃった笹山さんの本ですねー
つい最近第2版が出たのですが、もっているので読まないのはもったいないのでとりあえずざーっと読んでみました♪
(第3章の買収ファイナンス契約だけは専門的すぎるのと、最新の法律とかを反映したのが読みたいので今回は省略しまいした)

M&Aファイナンス (新金融実務手引シリーズ)
笹山 幸嗣 村岡 香奈子
金融財政事情研究会
売り上げランキング: 89617
おすすめ度の平均: 5.0
5 非常に実務的
5 必読の実務書
5 恐らく本邦初のAcquisition Finance Handbook



この本はいままで読んだM&Aの本とは根本的に違う本ですね。何が違うかというと、M&Aの実行において資金提供する金融機関の立場で書かれた本だからです。
M&A 特にバイアウトにおける買収ファイナンスを取り扱った本で、欧米ではAcquisition Financeと呼ばれるらしいです。
当然、金融機関側の立場を理解する必要があるので、投資銀行等のM&Aアドバイザーなどにも役立つ内容ですねー
法律に関する記述が多いため多少難しいですが、すごい読みやすい本です。理路整然とすっきりとまとめられています。
第2章のシニア・ローンとメザニン・ファイナンスのところは、かなり面白かったです。
劣後債において、どのような法的解釈をして、ストラクチャすることで、シニア・ローンに対する劣後性を確保するのかというところは、なんか服部先生の実践M&Aマネジメントでもあったように、案件設計するというアドバイザーや金融機関側担当者の腕の見せ所なのかもしれません。
バイアウトの期末課題にあった、タームローンA,Bやリボルバーなどについても非常に丁寧に書いてあり、よくわかります。
また、金融機関側の視点から見ることで、LBOやバイアウトに向いた案件が非常にすっきりと理解できます。
PEファンド側はリターンが取りたいわけですから、買収価格のうちエクイティ部分は比較的わかりやすく決まります。要は残りの資金が、シニア・ローンやメザニンで調達できるかというのが、案件成立のポイントになるのでしょう。そうなると、当然金融機関がどのような観点で資金提供の意思決定をするのかが大事になるんですねー
第3章は概要だけ読んで飛ばしました。そのうち、自分がこの辺の話に関わるのであれば、第2版を買って真面目に読みましょう。そんな日が来るかは不明ですが。(笑
第4章の公開企業買収と買収ファイナンスについては、TOBをやる際のファイナンスについてこれまたわかりやすく書いてあります。というか、内容の難易度は別にして本全体がわかりやすいです。
LBOでは買収対象会社に保証・担保を設定しなくてはいけません。少数株主が存在する段階で、そのような特定株主を有利にすることをすると、取締役が少数株主に訴えられるので、LBOは敵対的買収には使いづらいという説明は、ライブドア事件のときのマスコミの議論が如何に混乱してたかがよくわかります。
私も完全に腑に落ちて理解しきってるわけではないので、素晴らしさを上手く説明できないのですが、一通り読んだ後に第5章の仮想ケーススタディを読んだときに、自分が買収ファイナンスについてなんとなく理解できてることがわかってかなり感動しました。
LBOに興味がある人などは一度読んでみると面白いと思いますよ。
しかし、服部先生の本でも思ったが、M&Aというのは経営法務の理解が必須なんですねー

2008/08/18

M&Aのグローバル実務

春学期の佐山ゼミで行った輪講の教科書です。
バイアウトの授業でもゲストスピーカーとして来ていただいた渡辺さんの著書になります。

M&Aのグローバル実務―プロセス重視の企業買収・売却のすすめ方
渡辺 章博
中央経済社
売り上げランキング: 138669
おすすめ度の平均: 4.0
4 チェックシート
3 米国企業買収の方法本
4 デューデリの記載が充実
5 実務向けの本
5 実務家からのアドバイス



服部先生の『実践 M&Aマネジメント』は,本中の単語を使えば経営者や担当者の意思決定や最適案件設計のための基礎知識であるならば,この本はどちらかといえばM&Aアドバイザーのための本と言えそうです。
副題にもあるようにプロセス重視で,実際のデューデリジェンスでの注意点などもとても豊富なので,自分がデューデリとかをやる前に確認することで,漏れなどがなくなるのでは?
オレみたいな非実務家にとっては,M&Aのデューデリの泥臭い部分を垣間見ることができるのがよいのではないでしょうか。
第1章~第10章は,買収ターゲットの選定方法から始まり,基本合意,デューデリジェンス,買収契約とクロージングまでの一通りのプロセスにおいて,やるべきこと,注意するべきことがしっかりと書いてある印象です。実務を経験してから読むと,更にありがたみがわかりそうなことが書いてますね。
全体的に買い手を意識して書いてあるようです。少し難を言えば,買い手の事業会社としてどこを自分たちで意識して,どこをM&Aアドバイザー等の外部者に意識させればいいかが混在となっていることですかね。まぁ,買い手のチーム全体で意識すればよいことという気持ちで渡辺さんは書いてあるのでしょう。
第11章・第12章は,どちらかというとストラクチャの部分になります。株式交換・株式移転・合併・会社分割について取り上げられています。他の株式買収などは第10章までに説明してるので,商法改正で株式交換や会社分割ができるようになってから,後付したようなイメージですね。(苦笑
第13章~第17章はEPS変動分析のところ以外は,『M&Aとガバナンス』と内容が重複していますね。というか,おそらくこの部分にフォーカスを当ててより詳細に記述したのが『M&Aとガバナンス』という位置づけなのでしょう。
取締役会は買収提案についてどう対応すべきかとか,パーチェス会計により責任者にどうやって達成責任を課すかとかが書いてあります。なかでも,勝手に渡辺さんが一番主張したいことを推測するに,DCF法は価格算定手法ではなく株主へのアカウンタビリティのための共通言語であり,社内の買収コスト回収のための共通言語だみたいなところでしょうか。
というわけで,全体的に前半と後半で少し趣の違う本にはなっているものの,一通りの領域をカバーしていて,よい本なのだと思います。自分が実務を経験することになったら,もう一度読み返してみると,また評価が上がる一冊なのでしょうね。
M&Aとガバナンス』をもう一度読み返してみたくなりましたねー
いま,読むと当時と全然違った理解が得られそう。

2008/08/16

実践M&Aマネジメント

さて,春学期の服部先生の授業が非常によかったので,思わず買ってみました。下馬評では,M&Aの実務家にとって非常に有意義な本であると評判だったので,会社法施行前の書籍ですが読んでみました。

会社法に対応した『実践M&Aハンドブック』の方も続けて読むつもりです。

実践 M&Aマネジメント
実践 M&Aマネジメント
posted with amazlet at 08.08.15
服部 暢達
東洋経済新報社
売り上げランキング: 56095
おすすめ度の平均: 4.0
5 M&Aの重要事項が体系的に書かれている
4 実務家の観点で充実した内容(頁数の少なさが悔やまれる)
5 fadf
1 分かり難い
5 法的側面について触れられている



読み終わった感想としては,下馬評どおり非常によい本だと思います。
筆者いわく「M&Aを考える経営者や検討・交渉担当者にとって最低限知っておくべき知識は本書において概ねカバーしたつもりである」とのことですが,実際の実務を知らない俺にも実務ではどのようなことを考えなくてはいけないかがよくわかりました。
本書は企業価値評価については,ほとんど記述がありません。こちらは服部先生の他書でフォローしましょう。
あと,最近わかってきたのですが,企業価値評価よりも大事なことはいっぱいあると思います。それらを一通りフォローした本ということですね。
第3章までは一般論として,第4章~第9章でM&A手法について詳しく説明されます。TOB制度,株式交換・株式移転,海外M&A法制,会社分割制度,タックスフリースピンオフ。
どれも法務や税務について着目した記述が多く,実際の経営戦略に沿う形で,M&Aという手法をどうやって設計していくかというのは,本当に案件ごとに千差万別なんだなと実感されます。
また,税務面では特に商法上可能な手法が課税対象となるためにできないことが如何に多く,国税が如何に怠慢であるかが実感できます。(苦笑
そうなんです。やはり,M&Aとは経営戦略を実現するためのものなので,その戦略を実現するためには,適切な案件設計が必要なわけです。価格よりも考えなくてはいけないことは沢山あるんですね。
第10章以降が,結構服部先生の独自性が出てるのかなと思うのですが,EPS分析から敵対的買収,日本M&Aの問題点,その他トピックと続きます。
特に13章のその他トピックは結構法務・税務で,ちょっとレベルが高いことを沢山書いていて,ああ,ここまで実務では考えないといけないんだなと実感できます。
と,まぁ,所詮オレは実務を知らないので,すごいなぁすごいなぁという感想しかかけないのですが,おそらくこの本は案件設計に関する実務家の手引きなんでしょうね。
網羅的な辞書のようなものではなく,このような手法ではこのような観点で案件を設計しないといけないという,ノウハウが詰まった本という感じです。
また,実際にM&A実務に関わってから読むと,また完全にまったく違った感想を持てそうです。この本の真の価値は,実務家にしかわからないように思うので。

2008/08/13

鎌倉 花火大会

ゆうちゃんは,おじいちゃんとおばあちゃんと一緒に花火大会にいったそうです。

2年連続で行ったんだよね。結構いいポジションで,やきそばとカキ氷を食べながら,夏を満喫したんだって!(笑

夜に迎えにいったパパは,駅前の混雑にうんざりだったけどね。(笑

2008/08/10

怪獣帰還

というわけで,今日から奥さんと子供2名がうちに戻ってきましたよ。

長女の遊んで遊んで攻撃と,奥さんの手伝って手伝って攻撃&ぐったり顔に,初日で結構疲れてしまったり。(笑

ふぅー,半年間くらいはしっかりと頑張らんとね!
息子がある程度しっかりしてくれば,長女にも任せられるし,奥さんも余裕がでてくると思うので,それまではパパもしっかりと頑張りましょう!

飲みまくり

さて,試験も終わり,奥さんと子供は実家ということで,飲みまくってみました。(笑

俺にしても2週間で飲み会5回というのは多いっすよ。
おかげで,最後の日はへろへろで,かなり爆弾発言しまくりの飲み会でしたねー

たまにはこういうのもいいものですね。楽しい飲み会はやはり楽しい♪

2008/08/08

カーライル

さて,ICSの授業について,実務はどうなっているのかということで,いま結構興味があるプライベート・エクィティ・ファンドの大手であるカーライルの本があったので衝動買いして読んでみました。


カーライル―世界最大級プライベート・エクイティ投資会社の日本戦略
鈴木 貴博
ダイヤモンド社
売り上げランキング: 653
おすすめ度の平均: 4.0
4 最近のMBOについて知らせてくれる
4 プライベート・エクイティに関する入門書
3 10年ほど前に出版されていたら、すばらしい内容だと感じました
5 カーライルで働いてみたくなる良書
5 企業経営と金融の関係を学べる良書



買ってから2日で読破しちゃいましたね。普通に面白いですねー
外資にしては,ちょっと美談すぎる気もしますが,こういう建前をカーライルは持っているということで,個人的にカーライルへの好感度はアップしましたね。
建前であっても,高い理想を持つのはいいことです。
日本企業の経営にとって,今後プライベート・エクィティ・ファンドの重要性というのは大きくなるのかもしれません。
東芝セラミックス,キトー,ウィルコムといった日本企業のMBO案件のうち,カーライルが携わった案件について,物語風に説明がされていきます。
そのある意味ケースのようなものの中で,バイアウト・ファンドというのが,どのような企業に対して,投資し,その後どのように経営に関与していくのがわかりやすく書いてます。バイアウト・ファンドの入門書としてもよいのではないでしょうか。
もともと企業経営に興味がある俺が,プライベート・エクィティ・ファンド,特にバイアウト・ファンドに興味を持つのは当然なんだということがよく理解できました。
特に最後の章の,日本企業における金融資本主義の認識が甘いというのは,かなり面白いですね。
ものづくり長けているだけでは,生き残っていけない時代になってきたというのは同感です。レバレッジをきかせることや,自前主義を捨てて資本だけでなく人材も集めながら成長していかんといけないというわけですね。
やはり,ゆくゆくはこのような仕事をしてみたいと素直に思いますね。カーライルが,実際どのような企業かは多少あやしいですが。(笑
そのためには,いま自分がなにをすべきかをよくよく考えてみたいと思います。

2008/08/04

遅れるそうです

ママとゆうちゃんとけいちゃんが戻るのは,来週の土曜日になるかもしれないんだと…
水曜日にするかどうかを,あちらの親と検討中らしいが,どうも土曜日になる予感です。

そっかー
そろそろゆうちゃんと遊んであげないといかんなぁと思ってるのよね。

ゆうちゃんにとって,ゆうちゃんだけを可愛がってくれる親が必要だと思うのですよ。ママはどうしても半々になっちゃうからねー

2008/08/02

大掃除

さてさて,あと数日でママたちが帰ってくるとのことで,パパは大掃除をしなくてはいけません。

夏になって,風呂場が汚くなってきたので,まず風呂場をすべて掃除。

また,誰もいないとできないような大掛かりな掃除も,この週末のミッションですねー
押入れを総入れ替えして,2人分の子供のものが入るようにせねばなりません。けいくんのベビーベッドも整理しないとね。

また,カーペットの掃除とか,他にもいろいろ。
俺の部屋も掃除しないといけないし,もう大変ですよ!

名前はけいくん!

息子の名前はけいくんで決まりになりました。
けいちゃんとどっちかは,そのうち固定化されると思います。

いまは,ゆうちゃんとけいくんとママはママの実家で過ごしてます。パパは試験で忙しかったので,あまりいけてなかったのですよ~
あと数日で帰ってくる予定なので,楽しみですねー

金融数理の基礎 試験結果

うーむ,残念ながら満点ならず…

ランダムウォークの n+1 回歩目が,n 回目以前のコイントスと独立であるという,基本的であまりにも当たり前のことを言及しそこねたため,1点減点の99点でした。確かにそこは自明ではないので,言及すべきだったので,あまり文句は言えず…

というわけで,

中間試験 100点
期末試験 99点

というのが,金融数理の基礎の成績でしたね。数学だけが,ICSにおける俺の得意技なので,満足のいく結果ではないでしょうか♪

まぁ,あまり俺のキャリアでは,数学はほとんど使わないのですけどね
できるにこしたことはないということで,満足でした!