青島 矢一 加藤 俊彦
東洋経済新報社
売り上げランキング: 6775
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まさにAmazonレビューにある通り、初学者向けの教科書でした。
学問としては浅く、実用には物足りない。でも教科書としてはすっきりとまとまっている。
そんな感じの本なので、戦略論に関する書籍等を数冊読んだあとに読むと頭の整理によいかも。てか、そのための本なのかもしれません。個々の戦略論の前提の違いなども分かります。
数ある経営戦略論の考え方を内/外、プロセス/要因という2軸で4象限に分類します。
・ポジショニング・アプローチ
・資源アプローチ
・ゲーム・アプローチ
・学習アプローチ
ポジショニングアプローチはポーター教授に代表される欧米の競争戦略の考え方で儲かるポジションに自社を置くという考え方です。資源は買収やアライアンスで調達すればよい、立ち位置こそが大事という考えです。
資源アプローチは逆に資源こそが競争優位の源泉で、模倣困難で顧客価値を生む経営資源を保有することを重視する日本企業的な戦略です。
ゲームアプローチというのは結構面白く、外部の競合や顧客などをゲームのプレーヤーとして、そのプレーヤーをどう分析して、その行動をどう利用するかというアプローチです。ポジショニングアプローチは外部環境は所与なのに対し、このゲームアプローチでは相手はこちらの行動に応じて変化しうるわけです。
学習アプローチはどちらかという組織論に近い感じですね。他のアプローチが計画を立案し、それを遂行する分析型経営戦略なのに対し、こちらは予期せぬ行動を如何に戦略に取り込んでいくかというアプローチになります。
これらの分類は春学期の特別講義である経営戦略論での分類と同じなので、テキストとしてもよいかもしれませんね。
日本企業は資源アプローチ重視で、欧米はポジショニング重視というのも授業で説明がありましたね。おそらく同じ系統の学者さんなのでしょう。
経営戦略論を整理して、それぞれのアプローチがどのようなものかを理解するのには非常によいです。後半のデジタルカメラ市場を4つのアプローチで分析した部分などは結構面白いです。
個人的には補論の部分はツールの限界や使いどころを理解するのに役立つと思いますね。
しかし、個々のアプローチの説明などは比較的容易であまり深い記述はありません。経営戦略論という学問のフレームワークを理解する教科書という位置付けですね。そもそものこの本を読んだ目的であるところの、経営戦略論の各論についてしっかりとした学術的な考察があり、参考文献がある本という要件には少し達していないようです。修士研究には直接は活かせなさそう。
やっぱり、学術書を読むならちゃんとした古典や名著、または欧米のビジネススクールの定番の分厚い教科書を読まんと意味がないのかもしれません。この本の内容なんて1年もすれば頭から忘れるし、そもそも実務ではほとんど使い物になりません。
真に価値のある学術書というのは、読んでいると唸るような考察があり、覚えようとしなくてもその本質が頭に残るもんです。物事の捉え方自体に影響を与えるため、必ず日々の業務でも間接的に活かせるものなのですよ。頭に汗を書くくらいじゃないとやっぱダメっすな。
というわけで、近いうちにポーター教授の『競争の戦略』でも読んでみましょうかねー(笑
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