服部先生の第9回目授業です。
前回宿題となっていた事業部の100%買収方法比較についての回答が説明されました。
「新設分社+現金株式売却」と「現金事業譲渡」のそれぞれのメリット・デメリットや手続き上の注意点を答えるのが課題になっていました。無税取引にするために株式交換を使うということまでは気づいたものの、株を使うと逆取得が発生しうることですね。
案件設計では、いろいろなケーススタディを自分なりに考えてみないと身につかなそうだ…(泣
さてさて、今回の講義のテーマはスピンオフとカーブアウトですね。
(実践 M&Aマネジメントの第9章が参考になります)
スピンオフは、特定事業を親会社を分社し、対象会社の株式を親会社の株主に割り当てます。
結果として、親会社と対象会社は一瞬同じ株主の下の兄弟会社になりますが、すぐに株主構成は変わっていき、なんの資本関係もない別会社となります。
一方で、カーブアウトは特定事業を一度子会社としてから一部株式を売却する、要するに子会社上場のことです。
欧米では少数株主の権利が強く保護されているため、日本のように子会社上場を恒常的に続けることはなく、通常はカーブアウトのあとは最終的には株式は売却することが多いそうです。
日本ではカーブアウトはできますが、スピンオフについては会社法上は可能ですが税法が対応していないため課税取引となってしまうため実質上は実行不可能となっています。(課税取引は買い手・売り手ともにデメリットが大きすぎる)
服部先生曰く、日本だけが先進国でスピンオフができない国で、ことあるごとに解禁を主張してるんだとか。
子会社上場時の企業価値評価上のトピックとして、NTTとNTTドコモの株価逆転現象なども説明されました。これは春学期の期末試験にも出ましたねー
この授業はいろいろなケースを紹介して、実例を数値で理解できるので非常によいですねー
さて、最後に駆け足でカーブアウトやスピンオフと同じ効果を生むものとしてトラッキングストックが紹介されました。
こちらは概念上はありえるものの、米国でさえほとんど実行例はなく、マニアックな手法となっているとのこと。(苦笑
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