服部先生の第11回目講義です。
今回は売却プロセスに関する講義です。いままでの案件設計とは少し異なるトピックですね。
春学期の佐山先生のゼミで読んだ『M&Aのグローバル実務』でも、この辺のプロセスは書いてありますが、今回の講義の方がより実務的な気がします。
どこが違うかというと説明が上手くできないのですが、やっぱゴールドマンサックスで実際に交渉等をやってた人がオフレコで講義した内容と、教科書として書いた内容の違いですかね。説得力が違います。
服部先生曰く、M&Aの交渉で大事なのは「競争」と「圧力」だそうです。(笑
まぁ、競売だと思わせた方が売り手としてはいいですし、常に早く早く有利な条件を引き出すためにはプレッシャーをかけたほうがいいですわな。そりゃ。
売却プロセスは、準備、マーケティング、デューディリ、ファイナルビッドの4期間に分かれます。
準備期間はプロジェクトチーム組成からマーケティング資料の作成になります。買い手候補については、いまやグローバルにリストアップすることもあるというのが印象的でしたね。
ただし、買い手を広く公に設定した場合は、機密情報などが公開されてしまいます。そのため、基本的には売却撤回はしづらくなります。条件によっては売却撤退をする場合は、買い手候補は限定して狭くしたほうがよいとのこと。
他にもプロセスコントロール、DDのチェックポイント、ファイナンシャル・アドバイザーの役割、M&A契約書、売買価格の最終調整など、いままでの授業(春学期佐山ゼミ、M&Aの法務など)でやった内容を、服部先生独特の切り口で聞くことができましたね。
最後にケースとしてUFJと住友信託との間で締結された独占交渉権違反の訴訟が説明されました。
独占交渉権違反については、基本的にその期間の実費精算(エージェント費用など)が原則なのですが、結果的にUFJが住友信託に対して損害賠償25億円を支払って終わったんだとか。悪しき前例と嘆いてました。
しかし、この1年でいろいろと学んだことがだんだん腑に落ちてきた感じがしますね。
願わくば実際にM&A案件に関わったのちに、もう一度聞いてみたいものです。
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