2008/11/13

M&Aストラクチャ論 week6

さて、株式取得・合併・事業譲渡と説明をしてきたので、ここで日米のM&A制度の違いをまとめておくということで、今回は海外M&A手法(特に米国)についての講義です。
(会社分割は米国でないので、説明はまだですが、先に海外制度を説明するそうです)

まず冒頭に説明されましたが、第3者割当増資による買収は海外ではほぼ成立しないそうです。
理由としては、特定株主の割合が20%超えるような第3者割当増資については、海外では株主総会特別決議になるからそうです。
そりゃそうといえばそうで、日本の制度だと、取締役会決議で突然3割とか4割を超える支配株主が第三者割当増資で出現するわけで、まずいっちゃまずいですねー

さて、米国と日本の最大の違いは、株式を対価としたM&Aが柔軟にできるというところですね。
株式を対価とするM&Aは資金調達をしなくていいため、非常に便利です。
日本では、株式交換や合併でしか使えません。会社法上は対応してるらしいのですが、税法上の問題、現物出資規制、有利発行規制の3つに抵触するため、実務上はまったく使えないそうです。株式TOBなども会社法では可能だけど、実際にはできないと。
米国では手法ごとに、株式だけでなく現金とのミックスでのM&Aも認められています。日本では株式交換などはすべて株式でないと税適格にならずに課税対象となってしまいます。
株式交換が課税対象になると買い手は税金だけ払う場合、将来の株価下落で税金だけ損するようなことになるため、基本的には配布された株式を売却します。そうなると売り手の株価も下がるため、売り手・買い手双方の株主にとって課税対象になるのは、好ましくなく、課税対象となるM&A取引は実務上は実施されません。
米国では手法ごとに、株式割合は規制されるものの比較的柔軟に株式と現金のミックスによる買収が可能になります。
たとえば吸収合併や三角合併では対価の50%以上が、株式であれば残りは株式以外であっても課税繰延が可能になります。
最後の方で、日本の商法時代の問題点や、現状の会社法の問題点が非常に厳密に説明されましたが、本人もマニアックというくらいなので、説明はやめておきましょう。(笑

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