単独したトピックとして「金融機関のM&A」というテーマでの講義です。
ご本人曰く「僕は日本のM&Aの第一人者ということになっている」とのこと。メガバンク合併などの金融再編案件を結構取り扱っているようです。
講義の内容は『M&A法大全にご本人が書いている内容とほぼ一緒。自分でもそーいってて「講義しなくてもいいよなー」とぼやいてました。ちゃんとコピーを配布してたし。(笑
詳細は本を買ってもらうとして,概要だけまとめておきます。(笑
近年の金融機関のM&Aの大きな特徴は,大規模であることと,破綻企業が多かったこと。
大規模な金融機関は経済的にも大きな影響があります。また,破綻しそうな金融機関の場合はその資産の特殊性(金融資産が多い,破綻寸前であるの両方の意味での特殊性)から,その評価方法がかなり問題になります。
清算価値と事業継続価値がまったく異なるわけですな。そして事業継続価値というのは,大体当事者間で一致しないわけで,かなり交渉は難航するわけ。また,破綻企業の場合は清算価値というのも強く意識されちゃうし。
また,ポートフォリオ選好というのも,交渉上のポイントなんだとか。
ポートフォリオ選好とは,金融機関の中でも特定の資産の保有はしないポリシーだったり,保有できても保有割合などに制限がある場合のこと。
この場合買い手は売り手の資産を買うことはできないので,売り手はマーケットで売却することになったり,買い手が買った直後に転売とかするわけですが,当然ながら破綻寸前(もしくは破綻後)の売り手企業の資産がまともな価格で売れるわけもなく,ここでも価格交渉が大変になるわけ。
上記のような大前提をざっくりと説明した後は,銀行・証券会社・保険会社の各論に入りました。これらの会社は貸借対照表がぜんぜん違うわけですよ。そもそも業務もまったく異なるし,なのでそれぞれの特徴を抑えることが必要になってくるわけ。
M&A法大全のほうは各論ごとに事例説明などありますが,講義では特徴とポイントだけでしたね。興味があれば,本を読めばよいということでしょうか。
ちなみに次回の講義は…
『6/22(月)1時限『M&Aの法務(国内法務)』は、ゴールドマン・サックス証券株式会社 投資銀行部門 M&A統括責任者 マネージング・ディレクター 矢野 佳彦 様をお招きしての講義となります。』
だそうです。すっごい,出席したいのですが,どうしても外せない会社の用事があるので,欠席になります…
なかなかない機会なのに,すごい残念です。
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